本日は2025年月11月30日(日)です。本日は愛知県豊川市御津の御津生涯学習センターにて八卦掌の練習を行いました。
2025年11月30日の練習内容
秋の風景本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。
放鬆功
練習は放鬆功からスタートしました。本日の練習は放鬆功にはあまり時間をかけずに行いました。理由は次の転掌で練功を行いながら体を緩めていくことを考えたからです。
拉筋
転掌を行う前にまずは転掌で必要となるストレッチを行いました。転掌では外手の肘をみぞおちの前に置きつづけることになるため背中の筋肉をある程度伸ばしておく必要があります。もしできれば特段このストレッチは行う必要はありません。
腰跨もぐるぐる回してあらかじめ温めるようにしておきます。転掌では常に捻転の力が加わるため、筋肉の損傷を最低限に抑えるためにストレッチをしていくことで姿勢がスムーズにできるようになります。
整勁の解説
今回は整勁を練る、という概念について解説を行いました。整勁の整とは整理する、整えるという意味ではなく、全ての、全体のという意味の一般の中国語会話で使われる意味合いの整です。
整体的勁とも言いますが、これを見て整体、整体療法の整体であると勘違いするのであればとんでもない間違いです。よく中国人の考え方や言語を学ぶべきです。
中国武術は局部の筋肉で体を動かさせるのではなく、整体の力で姿勢を司り、動作を起こします。下はつま先、上は頭頂部まで余すところなく力を使い、統制の取れた全身運動として姿勢と動作を行い、それを技撃に応用するという体系をとります。
これが運動の形態上中国武術独特のものであるということをいうことはできません。概ね一般的にスポーツや運動は全身を使って行われます。中国武術ではそれを体系化して解説しているにすぎません。
転掌
今回の練習は転掌を中心に行いました。全体で概ね128回円周上を回ることでもともともている整体の勁を引き出す、ということをテーマとしました。
立椿式
立樁式は転掌の基本的なやり方です。裡手を円心に向けて自然に伸ばし、中指を天に向けます。目線は裡手の甲の横から円心を見ます。
外手は肘をみぞおちの位置に置き、手首をしっかり塌しかつ撐します。外手の中指を裡手の肘に軽くつけます。顔は円心に向けます。
双撞掌
双撞式は両掌を体の正面に向け、その両掌を円心に向けながら行う転掌です。胸の面が円心に対し正面にむくように腰と肋骨あたりを捩じりつつ転掌を行います。
双抱掌
双抱式は両肘をほぼ付けた状態にして手を前に出し、両手を大きく開きつつ掌と掌が接する部分が円心にむくようにしつつ行う転掌です。
柔球式
柔球式は基礎十二式の柔球式の要領で手を作り行う転掌です。
片旋式
片旋式は裡手の小指側を天に向け、外手の小指側を円心に向けた状態で行う転掌です。
これらの形を作りながら円周上を概ね16歩で一周になるように歩くというのが転掌という功法です。それで円周上を走するわけです。
8周に一度方向転換し左右を入れ替えると16周になります。これを8回繰り返せば合計128周回ることになります。要求をこなしつつ128周を1セットとして回っていただくと良いです。
整勁が発せられる感覚が味わえると思います。私は中国武術における用法は特に重視はしていませんが、この転掌の重要度は平均的なものより上に設定しています。
八卦掌は転掌で功を練ります。百練は一走に如かずという格言がある通り、八卦掌では非常に有効な功法として転生を展開しています。
私たちが練習している柔身連環八卦掌では円周上を回る転掌と直線上を打つ地支八卦という2種の練習を主としながら功夫を高めていくという練習体形を持っています。よく練習してください。
揪腿
今回は螳螂拳から一つの招式を借用し練習しました。螳螂拳の代表的な足払いである揪腿を練習しました。
揪腿は前脚の足首を立てる、後手を引く、前手を手刀や螳螂手とすることを同時に行う動作です。足払いや摔法ということになります。
ポイントは足を強くかつ鋭い力で止めることです。そして手を鋭く引き、鋭く前にだすという3つの動作を同時に行う動作です。
上手くいけば人はすっころびます。
地支八卦 穿
穿は地支八卦第三段の一つ目の招式です。
まず前手を搖手し、斜め前方方向に上歩しつつ下から掌を穿します。そのあとその逆の斜め前方向に穿した手を握り、その後蔵花掌を打ち、蔵花掌を下手を握ってから反背拳を打つ動作です。
招式名が穿ですのでテーマは穿です。突き指しないように気を付けながら中指の先端にしっかり意識を通しかつ放鬆しながらスムーズに鋭く掌を出してください。
本日の練習のまとめ
秋の風景本日は愛知県豊川市の御津生涯学習センターでの練習となりました。
八卦掌を含む中国北方の伝統武術は他の運動も同じでしょうが全身運動です。特に大きな筋肉を大きく動かし、普段体重や姿勢維持に使われる薄く広い筋肉群も使いながら整個身体で動きをつくる運動であることを認識し練習して下さい。
どう受けてどう打つ、というのはそれほど重要ではないです。不完全情報の何があるかわからない状況で体が勝手にやったこともない動きをとっさにできるように動く。
というのができるようになっていきます。練習しないでできるようになりたいところですが、なかなかそうも言ってられないので練習で得られるものを得るようにしていきましょう。