12月に入り、冬の冷たい風が吹き抜ける季節になりました。今日は午後公園で八卦掌を練習しました。
目次
練習内容
本日の練習は以下のメニューで行いました。
暖身
- アキレス腱伸ばし
- 肩伸ばし
- 膝、足首回し
- 各部の穴位(ツボ)刺激
- 拉筋(ストレッチ)
基礎十二式
甩手式
揉球式
七星起式
掩手式
穿掌式
探掌式
擺扣穿掌
擺尾掌
蹋步穿掌
盤肘
崩拳
左右逢源
転掌
- 單換掌 右8週 左8週
- 雙換掌 右8週 左8週
- 順式掌 右8週 左8週
- 背身掌 右8週 左8週
- 翻身掌 右8週 左8週
- 磨身掌 右8週 左8週
- 三穿掌 右8週 左8週
- 回身掌 右8週 左8週
単換掌、双換掌、順式掌、背身掌
翻身掌、磨身掌、三穿掌、回身掌
一般的な中国武術では、基本功とは、まず正確に立つことを求めます。八卦掌は基本の第一歩から人に突っ立たせることを行いません。はじめにあることからスタートします。円周上を歩く動作は、角度を変えながら移動する必要があるため、多少難度が高く、初めは直線状を八卦掌の歩法(躺泥步といいます)であることから練習が始まります。
今日は直線状の歩行は行いませんでしたが、左右合計合わせて128週を回りました。大体目安として、128週廻れば30分程度の時間が必要となります。
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躺泥歩の練習方法
八卦掌の歩法は躺泥歩(たんにーぶー)と言います。泥の中をすーすーとつま先から前に進むような歩行方法です。文字だけとなりますが簡単に説明します。
- 腰と股関節をしっかり落とした状態となる。
- 足の裏の前半分から着地するように前足を出す。(踵から着地しない)
- 前足の足の裏全体が地面とすり合わさった状態でその足を前に進める。
- 後ろ足を前にだし、同じように足の裏の前半分から着地するように出す。
を連続して行います。ポイントは踵からではなく、足先から着地する事です。なれないと難しい動作ですが、てくてくと歩くより、腰位置が水平に移動し、重心位置の上下動がなくなり安定します。ですから目線の高さも地面に対し同じ高さに固定されることになります。
日本の古流剣術で、腰をどっしり落としたまま、すり足で移動を行う、という動作には、八卦掌の歩法との共通性があると思います。重心を落としたまま移動をする習慣を脳に刻み付けるということです。
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躺泥歩の練習目的
躺泥歩には大まかに以下の3つの目的があります。
1.重心を下げた状態での移動の習慣化
さきほど上の項で申し上げた通り、重心を落とした状態が標準状態になるようにするための練習です。これにより、浮つかず、且つ、居つかないという状態を無意識にキープできるようになります。
2.相対する角度が変化し続けることへの習慣化
現代の人間は直線的動きに慣れており、常に角度が変化し続けるという状況については、常にその角度変化に対して対応をし続けるという脳機能が求められます。曲線で動く習慣をつけることは、単調な練習に難解な要素を入れることになり、脳と運動神経の訓練になります。
3.歩行瞑想
中国武術にとって、技撃性(攻防技術、打撃力、用法)は全体の一部の概念であり、精神の調子を整えるという要素も、シームレスに練習体系に組み込まれていることが特徴的です。
最近、歩行瞑想、歩行禅、またはウォーキングマインドフルネスという名称でストレス解消と精神のバランスを整えるための方法論が注目されていますが、これは、そもそも100年前には、八卦掌の練習者や道観の道士たちの間では一般的にその効用が認識され、練習されていたものです。
マインドフルネス、歩行瞑想、歩行禅の概念について、私もインターネットで流れる情報、書籍を読んで調べてみました。八卦掌の体系を一式練習すれば事足りる内容であることが理解できました。
まとめ
本日は、技撃(格闘術、用法)等の練習は行わず、歩行瞑想として、転掌の練習を行いました。もし興味があれば、マインドフルネスや歩行瞑想、歩行禅として出版された書籍を参考にしてみることもおすすめします。もし八卦掌をやるのであれば、マインドフルネスだけに限らず同時に、
- 武術としての護身術
- 中国文化、中華文明への理解
- ストレッチ、フィットネスとしての体の機能の向上
についても学び実践できますので私はこちらの方がより効率的であると考えて、いま八卦掌を研究しております。