本日は2025年月7月12日(日)です。本日は愛知県豊川市御油の御油生涯学習センターにて八卦掌の練習を行いました。
2025年7月12日の練習内容
夏の風景本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。
棍を使った拉筋
今回も前回と同様に棍をお持ちいただいた練習となりましたので、棍を使った体の各部の拉筋を紹介しました。
案山子のように棍を背中に担ぎ、その状態で体を左右にねじるというものです。私の場合、つま先の方向と棍の方向は180度程度まで行きますが、人によっては90度程度の方もいます。
息を止めず、鼻から深く息を吸い、吐きながら体を回すと棍が限界よりもう少しだけ回ります。これ何度か繰り返せば胴体が少し以前により回転するようになります。ウェストを回す、というように表現していますが、腰の骨は実際にはほとんど回りません。
背中の筋肉や背骨全体にある筋肉のブレーキを解いたり、回転した状態の姿勢を維持する筋肉の養成になるものです。
まずは立って水平に棍を回転させて行い、次はうつむいた状態で上に向かって棍を回すようにしてみましょう。動作はさらにつらくなりますが、うまく負荷がかかるようになり、身法を練ることができます。
効果は単に柔軟性を高めることにとどまらず、体をひねった状態で力を発揮するための筋トレになっています。これは摔法に直結するものになります。
シュワイショウ
棍で肩や腰を練った後はシュワイショウでさらに体をほぐし、手を放鬆するようにしました。シュワイショウは字の如く、手を甩する動作です。手の重みと遠心力で手を放鬆させていきます。肩や肘、腕にある血液が手や指に集まり、手や指に重厚感が出てきたら成功です。
これは放鬆功でもありますが、この動作には攻防の意味が含まれていることも併せて解説しました。中国武術の準備運動には攻防の意義も入っていることを認識することができます。
このシュワイショウというものだけでも手慣れた人がやると恐ろしいです。鼓膜が一発です。
八卦棍
今回も前回に続いて八卦棍を練習しました。今回は前回の練習で分かりにくかったという指摘があった八卦棍の起式について復習し、それから八卦棍第一段の上手と下手について練習しました。
第一段の構成は以下の通りです。
上手
- 上截 足を後ろに撤しつつ、上を左から右に向かって払い受ける
- 下攔 足を後ろに撤しつつ、下を右から左に向かって払い受ける
- 攔腰橫棒 右足を上歩して馬歩になりつつ右手側の棍を水平に打つ
- 右擊 左足を上歩して弓歩になり、左手を前に打ち出して、自身の右下側を撃つ
- 左擊 歩はその位置で自身の左下側を撃つ
- 耳棒 右足を上歩し弓歩になりつつ右手で上方を打つ
- 蓋頂 左足を上歩し四六歩になり左手を前にして上から棍を打ち下ろす
- 中平刺棍 棍を水平に突く
です。
下手
- 上截 上方を突く
- 下攔 下方を突く
- 攔腰橫棒 左足を退歩し、右手を上、左手を下にし自身の左側にきた棍を受ける
- 右擊 足はそのままで棍の持ち方をそのままにして左の棍の先を地面につけて受ける
- 左擊 右足を退歩し棍の右先端部を地面につけて受ける
- 耳棒 左足を退歩し、上方を自身の棍把で受ける
- 蓋頂 右足を退歩し、棍を水平にして上面を受ける
- 中平刺棍 中段で突いてくる棍を左から右に払い受ける
という要領で練ります。まずは上手で動作を覚え、その後下手と合わせて対打形式として上手と下手を同時に学習します。
下に動作の要領を示した動画のURLを貼り付けます。呉国正老師と孔太龍師兄が演じています。
今回の棍の対練の中で解説したものの中でいくつかの要旨を説明します。
- 棍は前手では操作しない
左前構えの際には棍を持つ手は左手が前側になりますが、棍は後手で操作するものです。正確にいえば手ではなく整体的な動作で操作するものです。前手で棍を操作する感覚にならないようにしてください。
- 八卦掌の棍は移動しながら手を動かす
八卦掌は体重移動を伴いなら招式を行います。その場に踏みとどまり踏ん張って動作を行うことは稀です。地面をすべるように移動して前進したり、後退したりして縦横無尽に動きながら手を動かすようにしてください。
- 棍法は拳術に直結する
中国武術では兵器と徒手動作は不可分です。棍を練習したら棍の練習ではなく全身の練習になっていることを認識し、徒手の練習ではそれが兵器の練習になっていることを認識して練習していただければ有効な練習方法になります。
歩法
躺泥步
基本の躺泥步です。手は地面を支えるようにし、足の前半分を地面に軽く接地した後そのまま足を前に進むというのを繰り返す歩法です。
円周上を歩く前段階として直線上を歩行します。
向前左右一步一走
向前左右一歩一走は一直線を基本として左右に30度程度角度をつけながら移動する歩法です。手は揺手と穿掌を組み合わせながら進みます。
地支八卦
開
地支八卦の開を練習しました。
- 重心を少し移動し前手を抑える
- 後脚を前に移動しつつ後手を差込み両手を開する
- 奏步雙撞で両手で前方を打つ
を行います。歩幅はできるだけ大きくしてください。
本日の練習のまとめ
夏の風景本日は愛知県豊川市の御油生涯学習センターでの練習となりました。
今回は広い練習施設をお借りいただき練習できました。八卦棍が中心となりましたが、また並行して地支八卦、転掌に進んでいきたいと思います。