本日は2021年月6月7日(日)です。本日も9:00~11:00の時間に名古屋市熱田区の神宮東公園で練習を行いました。
2021年6月7日の練習内容
本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。
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放鬆功
本日は「上虚下実」を作ることをテーマに練習を行いました。上虚下実を実現させるためのキーポイントは、
- 上半身をファンソンすること
- 下半身が十分な筋力を持つこと
- 下腹部まで届く深い呼吸ができること
の3点です。本日はこれらを具体的に実現するために、まずは上半身の放鬆功を行うことにしました。私は、上虚下実が自然にできるようになるためには、気が沈むことが必須だと考えています。
気を沈めるために、まずは頭と首を緩めて頭や首、肩に滞る気を下に流します。具体的には頭部のツボ押し、首回し、肩のツボ押しです。
それから肩と背中、腕をストレッチする前に、まずは拳を砧のように使って筋、腱を叩き、筋をほぐしていきます。穴位とそれがつながった穴道に刺激を与えて繊維をほぐしていくことにより、徐々に体にはしなやかさが出てきます。
それから肩、背中、腕のストレッチに移行します。これが通背或いは通臂の概念を強めていきます。練習時間の前半1時間をこのようなファンソン功に費やしています。具体的動作については下の動画をご覧ください。
下半身のストレッチ
上半身の放鬆功が終わった後は、ウエストと股関節の可動性を補強するために腰回しを多めに行いました。腰回し、太ももストレッチ、膝の屈伸、足首等たくさん補助動作を行いました。すべて具体的に意味があります。
基礎十二式
放鬆功で上盤、中盤に意識を通したら、次は下半身のパワーを増強させる練習を行います。じっと架子を練る方法でも下半身の力は強化できますが、本日は八卦掌の基礎訓練である基礎十二式の中から3つの動作を借用し、筋力と功夫底子の底上げを狙いました。
甩手式
本日の甩手式は下半身を練るためにしっかり腰を落として練習しました。架子ではなくこの動作を採用したのは、甩手式の動作には動きがあるからです。
柔球式
揉球式も甩手式と同様に、しっかり腰を落として練りました。どの程度の高さで行なったかというと、大腿部がほぼ地面に水平になる程度です。これをリラックスして余裕をもって行うことができるようになればほぼほぼ完成となります。
七星起式
本日の七星起式は、これまでとは大きな歩幅を取って練ることにしました。長拳や査拳の歩幅で形を作りしっかり前傾姿勢を作る、胯を捻じるなどを意識します。大腿部を地面と水平にしながら、胯と全身の連動を練ります。これは下半身の可動部の拡大と筋力アップにも貢献します。
一通りの練習が終わったら、站架式を作り、練習開始前と比べて、どれだけ腰がどっしり落ちたかを確認しました。一連の動作を練習した後は馬歩がどっしり落ちたことが確認できました。
上半身は立身中正(地面から90°ではありません)を維持し、命門が自然に出てきて、体全体が緩やかなC型に近づいてきています。
一連の練習をしながら、深い自然呼吸ができつつあることも確認しています。丹田吐納のある自然呼吸ができることも目標にしていきます。
馬歩と拿法の紹介
本日は站架式で馬歩が登場しましたので、馬歩とそれに連なる拿法(関節技)を用法の一例として紹介しました。これは新生国術館で指導していた亡き老師の動作の方法で、腹部を使って肘を極める動作です。拿法と打法、摔法、踢法をシームレスなく織り交ぜたものを紹介ました。
地支八卦
上虚下実の訓練が一段落したところで、本日はカリキュラムの最後に、地支八卦の「開掌」を行いました。本日の開掌は、
- 姿勢を低めにする
- 3つの動作を区切らず、過渡式をつなげて行う
- 相手の攻撃に手を添えつつ、微妙に角度を作り攻撃を反らす
- 呼吸と動作の配合
- 上半身をリラックスし、充実した下半身で大きく前進し伸び伸びと打ち込む
を意識しました。距離を取りつつ形を練りましたが、要点は理解いただいたと思います。あとはどれだけ考え、どれだけ回数をこなし、情熱と好奇心を持てるかがポイントです。
開
本日のまとめ
本日は、小雨がぱらつく中での練習でした。神宮東公園は大きな公園なので南と北の間に大きな道路が貫通しており、渡り橋があります。本日はその軒下で練習しました。
場所が限られているため、大きな動作の練習は行いしませんでしたが、たくさんの重要な項目について確認できました。中国武術は俗に「牛一頭が寝るだけの面積があれば練習できる」と言われます。例えば、
- 架子を練る
- 呼吸を練る
- 站樁
- 定歩での動作
- 放鬆功
等様々な練習が行えます。天気が悪いときは、公園の東屋の軒下、室内で八段錦などを練る、自宅の軒下、多目的スペース等、運動しやすい場所を探して練習してみてください。
湿度が高い状態で練習するときには、風通しの良いところで、撥水性の良い服装で、水分と塩分をたくさん取りながら、体温の過上昇に注意し練習を愉しんでください。