本日は2023年月11月26日(日)です。本日は愛知県豊川市御津の御津生涯学習センターにて八卦掌の練習を行いました。
2023年11月26日の練習内容
本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。
放鬆功
本日もいつも通りですが、放鬆功から練習をスタートしました。本日は次の基礎十二式を放鬆功に組み込むことにし、ストレッチはごく簡単に済ましました。まずは軽く首を回し、甩手をしました。
基礎十二式
放鬆功のあとは基礎十二式で体を作りました。まずは甩手から始めました。
甩手式
甩手式は足と膝、腿と胯を柔らかく使って腕を振り、体の前で下から上に向かって振り上げ、そのあと手で腎臓の部分をはたくようにします。顔は正面を向けます。虚霊頂勁で「正」の姿勢で行います。
揉球式
揉球式は足と膝、腿と胯と腰を柔らかく使って体の前面にある柔らかく弾力のある球体を弄ぶことをイメージします。手だけでコネコネせず、身法を使って腕を動かしていくというのが正しい方法です。
七星式
足を前後に大きく開き、踵を上げた弓歩の姿勢になります。そして前傾姿勢になり大きく前に手を出してから両手を交互に動かして引いてくる感じの動きをします。その際には、胯を大きく動かし、後ろ向きになりそうなところまで角度をつけます。最後は収式で動作を終えます。
掩手式
掩手式は両手を胸の前で少し交差して挟み込むようにする動作です。掌を上にし、逆手を横に向かってうごかしつつ、前手を逆手の下に置きながら、両方の手を体の中心に向かって挟んでいきます。攻撃動作にも防御動作にも応用できます。
弓歩から過渡式を経て逆の弓歩へ、そしてまた過渡式を経てまた逆の弓歩に移行します。
穿掌式
穿掌式は穿掌を上面に突き上げる動作です。手は鳩尾から上に向かって直線的に打ち上げますが、掌を体の外側に向けます。つまり小指を自分の体のほうにむけたまま上に突き上げます。
そして限界点に達した時に掌を翻し横側に放ち、同時に下からせりあがってきたもう一方の掌が上に突き上げられていく動作です。
この動作でも股関節が生き生きと使われなければなりません。
探掌式
探掌式は弓歩と弓歩を交互に行きかいながら、弓歩とは90度の角度の方向に対して前方に掌打を打つ動作です。まず前手で掌を上にむけてつつ穿掌をうち、次は手のひらを下にして前の上部を打ちあげます。そのあとその手の下から縦掌を打ちだします。
この際には腰胯を激しく切り、穿と打を打つというやり方をします。弓歩は低い状態を保ち、その状態で鼠径部を大きく稼働させて打つと功がつきます。
拉筋
今回は基礎十二式を6つ練習した後に拉筋を行いました。今回は、股関節を深く緩めることを目標に拉筋を行いました。
今回はお尻を地面に着けて行うものを中心にじっくり時間をかけてストレッチを行いました。中学校のクラブ活動のようです。
- 床に座り、片足を伸ばして逆の手でつま先を掴んで傾ける
- 足の裏と足の裏をつけた状態で足を揺らす
- 座禅の時のように足を組んだ状態で上半身を左右にふったり前傾したりする
- 開脚し片方に体を傾ける
- 開脚した状態で大腿部を揺らす
- 開脚した状態で大腿部を摩る
- 開脚した状態で前屈する
等を行いました。
それからさらに腰を回したり、体全体をかるくたたいたりして刺激を与えました。
基礎十二式をやってからストレッチをしたことには理由があります。まず基礎十二式自体をウォーミングアップの手段としたからです。人間の体はゴムやガム、チョコレートと同じで温度が低いときは脆く固く、温度が多少上がると柔らかくなります。
基礎十二式で体温と筋肉の温度を上げ、その状態でストレッチを行えば、筋肉の肉離れ、炎症、微小な断裂のリスクを抑えながら比較的無理なく筋肉を伸ばすことができます。
皆さんも一度、いきなり高強度の柔軟体操を行ってから練習した際の翌日の筋肉の様子と、まず体を十分に温めてから深いストレッチを行った場合の筋肉の様子を比較してみてください。
地支八卦
挑
本日は地支八卦の中から挑を練習しました。挑は字の如く、下から上に挑ねあげる所作が含まれた動作です。
まずは前手を出して搭手し、そのあとその手を外領して横にたおし、上歩しつつ後手を前に出して下から上に肘を跳ね上げます。それから進歩しつつ下から縦掌を出し、さらに追い込みつつ弓歩になりつつ前手で縦掌を打つ動作です。
途中、進歩しながらの縦掌が少し難しいです。重心は後ろ足におき、踵を地面につけた状態にします。相手の体重は後足の踵で引き受けます。
疲労を蓄積したままにしないためのクールダウン
一通りの練習が終わってから、本日は疲労を蓄積させないためのクールダウンとして、ストレッチと筋肉をも見込むする運動を行いました。
中国武術は靴を履いて行う運動ですが、足の指に非常に大きな負荷をかける運動です。足の裏の腱が激しく消耗します。ですから座って靴を脱ぎ、足の指を靴下の上からもみこんだり湧泉穴を指圧したり、足の裏全体を叩いたりして足の疲労を散らすためのマッサージを行いました。
体全体を軽く伸ばし、漬物に塩を塗り込むようにも見込んで練習を終えました。これは運動により蓄積した疲労が少しでも血流とともに流れることを期待したものです。
本日の練習のまとめ
本日は愛知県豊川市の御津生涯学習センターでの練習となりました。
25歳以前の体ではそれほど重視しなくてもよい体のケアですが、加齢にしたがい運動障害が起こるリスクが高まることを直視し「養」の概念を考えるいい機会になればと思い、今回は中国武術と中国人が考える武術の中の養という概念を体現する練習としました。
また次回はこれを発展させ、高い効用の練習ができるように工夫を重ねていきたいと思います。