日々の練習

今日の練習 八卦掌 御津生涯学習センターにて 2024年12月14日

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本日は2024年月12月14日(土)です。本日は愛知県豊川市御津の御津生涯学習センターにて八卦掌の練習を行いました。

2024年12月14日の練習内容

冬の鳥冬の鳥

本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。

シュワイショウ

今回の練習は次に練習する地支八卦を直接利用して技撃と身体操作の開発を練習する、をコンセプトにカリキュラムを組みました。よって準備運動は最小限とし、甩手のみとしました。

体の周りに腕を振るようにして重みと液体が遠心力で指先に遷移していく感覚を味わいます。はじめは角ばっていた動きが徐々にしなやかな動きに変化すれば成功です。

大体100回程度で感触が味わえるようになります。ポイントは首を腕の振りとは独立させることです。首の可動域というよりも首の後ろの、肩や背中に連なる二本筋の太い筋肉(僧帽筋というそうです)の柔軟性が動作がスムーズになるかどうかの決め手になります。

筋肉を解剖学のように一か所づつ解説するのは中国武術的には賢明な方法ではないので避けますがこれらの首周りの筋肉の柔軟性が向上するように運動を行ってください。

地支八卦

準備運動や放鬆功は最低限としつつ、地支八卦そのものを放鬆功の教材として練習を進めました。

地支八卦第二段の一、截です。截は断ち切るという意味合いがあります。

まず前手にねじりを入れながら手を自身の前方に移動し、受け流すような動作を行います。その後、後ろ手を前手の上から出して、後手を拳にしたあと前手を横の反背拳にして打ち出します。

そのあと跨を緩めながら沈み、前手を握り直してから上歩しつつ上段に反背拳を打ち出すという動作です。行程が4つに分かれるため全体としてはやや複雑ですが、意味として分かりやすいものとなっているためすぐできるようになります。

ポイントは跨を緩め、力強く切ること、そして上半身をしっかり放鬆して前進する慣性を拳に伝えのびのびとした反背拳を打ち出すこと、そして掴むべきところはしっかりその動作を行うことです。

藏は、前手を搭手したあと上歩しつつ後手を前に出して握拳とし、その後後手を立掌にして打ち出し、打ち出した掌を拳にしつつ、前手で反背拳を打ち出す動作です。

藏の由来は手の下から出てくる立掌が秘蔵されているところからきています。このように地支八卦や他の武術の招式名はその中心的役割を果たす意味が分かるようにできています。

立掌では手首の付け根の突起が突出するようにして打ち出しますが最終的に掌全体が当たるようにしていただいて問題ありません。

蔵の字の要旨となる立掌は後手によるものです。この立掌をどこまで前に伸ばせるかがこの動作のポイントです。立掌を打ち出す際の後ろ足の踵は地面につけます。

砍はたたき切る、ぶった切るという意味の言葉です。ちょうど鉈で藪の竹を払う動作や中華包丁で骨付き肉を切断する際の動作、伐採する木の幹に斧を入れる際のイメージがこれです。

それを手刀で表現したものが砍です。この動作では砍は横掌を使っています。第一動作は後足を前足の後ろから前にすすめつつ、後手を前手の内側から出して握り、そのあと前手を横掌の状態にして前に打ち出します。これが砍です。

そのあと背中を丸めて体をまとめながら前手の肘を下に落とし、そのあと前手で穿掌してから上歩してさらに穿掌で追い込みをかけるように進みます。

砍と穿を組み合わせた動作です。砍を行う際には足は大きく前進し、上半身も強い前傾とする必要があります。また手も大きく伸ばしできるだけ遠くの目標に届くようにしましょう。その際には沈肩墜肘は必須です。肘の突起は横に向きますが、沈肩墜肘を維持します。

立身中正に、強く前傾した立身中正があるように、肘が上にあがった沈肩墜肘も存在します。これはこれらの要訣を中国人の感性で読み取ればすぐに理解できます。

中国武術を練習する際に全体的に注意するべきこと

今回は地支八卦を題材にしながらこれを放鬆功としつつも練功法としつつも技撃性を模擬した練習として行いました。

中国武術には、振付けや姿勢、過渡式の概念以上に大事なものがあります。それが勁を運用するという概念と気の概念です。

いくら格好よく動作が標準で来ていても勁の運用が伴っていなくてはそれは外形を模倣したただの武術風踊りになってしまいます。

気の概念を理解せずに運動を行うことも同じことです。中国武術の動作は意に発し、意が気を動かし気によって体が動かされることによって形作られるものです。

これは外国人にとってはやや抽象的で概念的な印象をもつものかもしれませんが、全く神秘的なものでもなく、中国人にとっては現実的で即物的で具体的で直感的にわかりやすいものです。

「気の概念をもって動作が行われる」、これはこれ以上直感的でわかりやすい表現はないのではないかと思うくらい脳に直接的に伝わるものです。これがピンとこないな、という方がいれば、この概念がピンとくるように感性を磨いてください。

日本語で思考するのをやめて考える際も中国語で考える訓練をするところから始めていただけばよいのではないのでしょうか。そう思います。

本日の練習のまとめ

冬の公園冬の公園

本日は愛知県豊川市の御津生涯学習センターでの練習となりました。

今回は地支八卦を教材として練習を行いました。地支八卦は本来練功として利用するにはあまり向いていないものです。八卦掌の練功は基本は転掌が担当します。

また別の機会に転掌を練る目的、そして転掌を練った場合と練らない場合でどのような差異が生まれ、転掌にはどのような効能があるのか、転掌の身体的、意念的な具体的な要訣について、など解説を行う機会を設けたいと思います。

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