日々の練習

今日の練習 八卦掌 御津生涯学習センターにて 2024年8月17日

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本日は2024年月8月17日(土)です。本日は愛知県豊川市御津の御津生涯学習センターにて八卦掌の練習を行いました。

2024年8月17日の練習内容

本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。

上半身の拉筋

今回の練習はまず上半身の拉筋からとなりました。いろいろな角度で肩関節を中心に可動域を広げるストレッチを行いました。

上の動画の通り、腰程度の高さの机や台があればこれに手をついてストレッチを行うことができます。また適当な机や台がなければ壁を利用してもいいと思います。

中国武術は、日常的に使う以上の可動域を関節に要求します。練習の初めには適度なストレッチで関節周りの筋肉や腱に刺激を与えるのがいいと思います。

上半身の拉筋の次は下半身の拉筋をおこないました。アキレス腱、脹脛、足首、膝を伸ばしたり緩めたりしてから、腰を下ろして股関節をストレッチしました。学校の部活の準備運動のようなものをやりながら股関節の緊張をほぐしていきます。

シュワイショウ

一通り拉筋をした後は体の周りをまわす甩手を行いました。本日の練習カリキュラムの主体はファンソンではないため適当な回数で留め次のステップに進みました。

中華剣法

本日は下の2種類の剣法を練習しました。

剣腕花順転

この動画では赤のカラーバットを使って動作を示しています。

この動作は剣腕花と言います。剣腕花には4種類の動作があり、上の動画では上から降ろしてくる2種類の動作を示しています。

動作の要領はいくつかありますが、まず剣は親指と人差し指で挟むように持ちます。中指、薬指、小指は添えるように持ち、あたかもそれは毛筆の筆を持つかのように軽く持ちます。これで剣が優雅に軽妙に動くようになります。

中国語で「腕」とは即ち「手腕」と呼び、日本語でいう手首のことを言います。剣腕花とは字のごとく手首を霊活に動かして花が舞うように剣を回すことを指す優雅な動作の名称です。

上の動作ではまず剣を持った手の小指を天に向けて剣の重みで剣を垂らし、そのまま体の側面を通過して上から振り下ろす動作を行います。

もう一つの動作は親指を地に向けて剣の重みで剣を垂らし、剣の刃を体の前ぎりぎりを通過させて上から振り下ろす動作です。

どちらも指に力を入れず、手にも力を入れず、肘を曲げず、肘は垂らし、肩も墜し、気を静め、そして胯を落として霊活にすれば簡単にできます。

剣の練習は逆説的に言うと、指に力を入れず、手にも力を入れず、肘を曲げず、肘は垂らし、肩も墜し、気を静め、そして胯を落として霊活にする訓練でもあります。

一つできれば全てに通じ、全てができる人はもちろんそれぞれのことができます。

動作的には「点」という要訣になります。

動作に意味を求めるのはあまりよろしくはありませんが、一応意味を理解しておいた方が、理解しないで適当に振り回しているよりもマシな成果物ができてきます。私の経験です。

意味を求めることを主目的とするとその成果物はあまり大したものにはなりません。これも私の経験談です。

今回練習している剣腕花は文剣という薄身の剣の動作です。なぜ薄身にするのかというと、軽量化して剣の動作を霊活にすることと、刃の角度を鋭角にし切れ味をよくすること、刺突の際の肉との抵抗を少なくし攻撃性を高める、という3つの目的があります。

その代わり身が薄い分堅牢性を犠牲にしています。ただし文剣は戦場における白兵戦での主兵装ではないためこれらはあまり問題にはなりません。

この練習は手首の霊活性を通じ、体全体の勁の精緻度を高める訓練にもなっています。ですから剣の先端の振れをみればたいていの功夫がわかります。

剣腕花逆転

この動作は上の剣腕花とは逆にしたから切り上げる動作を含んだ2種類の動作です。一つ目の動作ではスナップを利かせて剣を自身の方向に振り、体の側面をとして下を通過させてからスナップを利かせて刃を上に振り上げる動作です。

2つ目の動作は手のひらを自身のほうに向けてから剣を下に向け、スナップをきかせて剣を振り上げる動作です。

双方ともに動作としては「崩」というものになります。崩は槍や棍にも同じ名称、同じ力を使うものがあり、下から少し跳ね上げるように兵器を起こす動作です。

手首の霊活性を生かすことは大事ですが剣は手首から作動させるのではなく、あくまでも丹田から発した動作の波動をフレキシブルに伝えるジョイントにすぎません。

剣が自由自在に扱えるようになれば軟兵器も同様に扱えるようになると思います。中国武術は各種兵器と徒手の技術に境界線がないため一つの動作のレベルが向上すれば他の動作にその効用が波及します。

この段階まで来ると中国武術の練習カリキュラムが効率的であることを実感できると思います。

本日の練習のまとめ

本日は愛知県豊川市の御津生涯学習センターでの練習となりました。

本日の練習テーマは剣でした。初めてですのでうまく扱えるわけはありません。でも剣を体験することにより拳や腿をねることができるからこそ今回はこれを教材に採用しました。

日本の方は中国武術の中から徒手の技術を抽出して練習することを好みます。理由はあるでしょうがそれは中国武術が持つ全体の体系の趣旨から外れた練習の方法です。

兵器を通じ拳を練る、拳で兵器を練る、これを理解いただき今後の中国武術の進歩につなげていただければと思います。

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