日々の練習

今日の練習 八卦掌 御津生涯学習センターにて 2025年3月9日

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本日は2025年月3月9日(日)です。本日は愛知県豊川市御津の御津生涯学習センターにて八卦掌の練習を行いました。

2025年3月9日の練習内容

蝋梅蝋梅

本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。

上半身の拉筋

今回も練習は上半身の拉筋からスタートしました。

上半身の筋肉を伸ばして気脈の巡りをよくすることで勁がスムーズに流れるようになり滞りがなくなります。

「いまいちしなやかさがない、伸びやかさが足りない、つっかえてる気がする」というのは柔軟性が足りないことが原因です。柔軟性を上げ力がスムーズに伝わるようにしていきます。

甩手

ある程度上半身の拉筋をした後はいつもの甩手を行いました。手を振り回すのではなく腕の重みでしなる程度までやっていただくのがよろしいかと思います。

手を振っているだけではそれだけのものですが、腕の重みで手が振られていくところまでくれば手全体の力みが取れてきた証拠になります。

イメージとしては手が錘のついた縄のようになることをイメージしていただくとよいと思います。

地支八卦 開

本日は復習として地支八卦第一段の開を練習しました。

開では最後に奏步雙撞という名称の立掌で打つ動作を行いますが、それは他の多くの地支八卦でも行う動作であり、技術の中核は途中の開(Kai)の動作となります。その中の開の際の過程が非常に重要です。

手を扇状に、またはワイパーのように一つの支点を中心に動かす、という動作ではありません。跨や肩の動きが立体的に相互に影響しあいながら連携し出来上がる開くの動きが重要です。

なかなか言葉で示すことは難しいですが、当会の練習に参加いただければ解説をさせていただきます。扇状の動作ではなかなか人が敵意を以て危害を加えようとして行う攻撃性動作を防御することは難しいです。

ですが技術を練り、立体的な構成の動作を習得すれば自分への危害を加える意図で行う動作を防げる可能性は高まります。

地支八卦 二

削は地支八卦第二段の五個目の動作です。

まずは前手で搭手してから上歩して後ろ足を前に進め、拳を握りこんで小指側で横から打ち込みを行い、さらに一歩前進し、逆の手の拳の小指側で横から打ち込みます。

そのあと開と類似する動作で下に攻撃をそらせた後、奏步雙撞で反撃を行うという動作です。拳で二打を打ち込むことから招式名称が「二」と名付けられています。

八大綱 翻身掌

翻身掌は八大綱の五番目の転掌です。要領は以下の通りです。

まず、外歩を擺歩にし裡手を掌にして差込み、その次に裡歩を擺歩にし手をクロスしてから進行方向とは反対の方向に向かって手を翻し、裡歩の足を跳ね上げます。

そのあと前手と後手を立てて重心を後ろにおいて立ちます。それからもう一歩進みそこで転掌を行い方向転換をします。

手と足、身を翻す様から翻身掌という名前で呼ばれています。

沈肩墜肘について

今回は中国北派武術共通の概念である沈肩墜肘について解説しました。

沈肩とは簡単に言うと肩をいからさない、上げない状態です。力まずにだらりとたらし、肩がなだらかに滑らかに緩やかに垂れる様を示しています。

墜肘とは肘が上に上がらず下に向かう状態を示す言葉です。沈と墜はともに下方に向かって落ちる様を示していますが、墜肩沈肘として表す意味は変わりません。墜と沈を分ける目的は同じ文字を極力使用せず多様な文字を使用するという文学的な中華文明の表現の様式美です。

沈肩墜肘の表現には無理やり、強引に、強制的にそれらを行うというイメージはなく、自然に、重力に従ってそうなる、成り行きに任せた結果肩がなだらかになり肘の突起部が下方に向いている状態を示します。

そして、時に沈肩墜肘は肩が上方に上がり、肘が物理的に天に向いていても意識が下方に向いていればそれは沈肩墜肘の状態であるといえます。実際に肘を打ち上げる様でありながらも墜肘を維持するというものは普遍的にあります。

縮、緊、展、開、束、合の概念について

今回は縮、緊、展、開、束、合の概念に解説しました。

縮とは収縮の縮、縮小の縮です。四方八方の方向から一転の中心に向かって縮こまる様です。そこには緊張、緊縛といったイメージが付きまといます。

緊という概念にもカチカチになるイメージがあります。これらは中国武術では凝り固まり流動性のない「死」の概念に該当します。

展は一点から四方八方に向かって膨張する様です。開との違いは開も外に向かって開くイメージですが展のほうが比較的四方八方の印象が強いです。開はどちらかといえば門のように左右方向あるいは相反する2方向に向かうイメージです。

一方で束は中央の一転に向かってまとまるものの、緊張した硬質なものではなく、稲わらを束ねるように柔軟性を保持したまままとまるイメージを持ちます。

合も集まるイメージですが開のように2方向から寄り合うというイメージが強い言葉です。

今回はこれらの概念の微妙な違いについて解説を行いました。これらを理解することで中国武術の動作の本質を少しでも理解していただければと思いました。

ただ、これらの概念を正確に説明するには私の中国語と中華文明への理解は完全ではないことはご理解ください。

一例を挙げると、すべすべ、つやつや、てかてか、ぴかぴか、つるつる、を日本語のバックグラウンドがない人に対して差異を明確に説明し日本語のネイティブと同等に理解させるのと同じくらい難しい作業です。

本日の練習のまとめ

蝋梅蝋梅

本日は愛知県豊川市の御津生涯学習センターでの練習となりました。

今回は程派高式八卦掌の基本に立ち戻り、転掌と地支八卦から一つづつ新しいものを練習するというカリキュラムとしました。次回は次の動作を練習していく予定です。

 

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