日々の練習

今日の練習 八卦掌 神宮東公園にて 2020年12月27日

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

前回は2020年12月06日に名古屋市熱田区の神宮東公園で練習を行いました。

本日の練習20201206
今日の練習 八卦掌 神宮東公園にて 2020年12月06日前回は2020年11月15日に愛知県豊川市御津生涯学習会館で練習を行いました。 https://hanagakibugaku.co...

本日も前回と同じく午前9:00から11:00までの時間で八卦掌の練習を行いました。12月6日にはわずかに残っていた落葉樹の葉はほとんどが落ちてしまい、冬枯れの公園の景色なっています。

2020年12月27日の練習内容

冬の神宮東公園冬の神宮東公園

それでは本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。

歩行とランニング

本日の練習は午前中となりました。中国北方武術は寒冷な温帯或いは亜寒帯や比較的降雨量の少ない北方で発達した技術体系の為、涼しい気候や寒い気候との親和性が高い武術です。

準備体操をするその前の事前運動としてまずは噴水の周りを2週歩き、その後ゆっくりなペースでさらに噴水の周りを2週ジョギングをしました。これらはもちろん持久力アップのための運動ではありません。

まずこれらにより体をすこしだけ目覚めさせ、体に震動を与えます。そして体温を上げることにより次の練習への準備体勢を整えます。

放鬆功

歩行と軽いジョギングで体を軽く温めてからマッサージと放鬆功を行いました。まずは首回し、首筋と肩、臂、腕、掌、手のマッサージです。これで気脈の中の「気の概念」の通りをよくします。

その後甩手と五行通背拳の活根門から借用した上半身の動作を使って肩と背中を緩めました。

甩手

両腕をぶらぶらと振り回す動作です。回数をこなしていくと腱や筋が緩み腕が重く、長くなる感じが出てきます。

叉肩法 後輪

叉肩法 前輪

本日も叉肩法の前輪と後輪で上半身を緩めました。肩を中心に回転させず、回転の起点は体の中心軸とします。また胯を鋭く回転させることにより発生する瞬発力を腕までロスなく伝えることを注意しながら行います。

ポイントは、

  • 回転する腕が円錐型ではなく平面的な動きになるようにすること
  • 肘を曲げないこと
  • 力まないこと
  • 背骨や上半身を緩めてそれもパワーの補助的源泉とすること

です。

本日は私も含め2名での練習でしたが、これらの練習をしばらくすると、二人とも手が暖かく熱を持っていました。手が赤くなり、熱い、暖かい、という感覚は中国人が言う「気血が巡る」という状況です。これで上半身の準備が整ったことになります。

基礎十二式

放鬆功で上半身をほぐした後はいつも通り基礎十二式を練習しました。本日も技術向上の課題としては転掌をメインに考えたカリキュラムとしたため基礎十二式は流して行いました。

甩手式

手が体の前方を通過する際には正中線の前を通過し、頭までカバーをするように行います。あくまでも技撃性を保持するという中国武術の本質を維持するためには必要なことです。

柔球式

前方に潰れた球ではなく丸く張りのある球を弄ぶイメージを練ります。ストレッチボール程度の大きさの圏(意識的な空間)をイメージしていただけるとわかりやすいと思います。

七星起式

本日は胯の霊活性を一段向上させ、舒展(伸び伸びとした動き)を練るため歩幅を広くとり、深い動作を練りました。これを練ることにより股関節の動きがよりしなやかで柔軟性に富んだものとなり、体全体の動作の連携がより強化されます。

掩手式

穿掌式

探掌式

探掌は基礎十二式の中でも比較的技撃性が前面に出ている動作です。本日解説した内容は、「身法により体をかわすこと」と「胯をよく切ること」、そして「地面を両足でしっかり掴むこと」です。これらを意識することにより紮實(しっかりした)の基本功を練っていきます。

拉筋

ここでいったん基礎十二式を打ち切り、下半身の拉筋を行いました。初めに下半身のストレッチを行わず、途中に下半身のストレッチを行う理由はいくつかありますが、一つはストレッチは体が温まっている状態の方が効果があること、そして炎症や筋繊維の損傷などの運動障害の発生リスクを抑えることができることが挙げられます。

日本の方は準備運動にかける時間と手間を惜しみがちです。もっと多くの時間をストレッチや準備運動に当てるべきです。あと全体主義なのか何なのかわかりませんが、全員が同じ動作を一斉にやることを好みます。これもあまりよろしくない習慣です。

人間の体は一人一人がそれぞれの体質を持っておりコンディションも千差万別。これら個人の尊重、対応こそがそれぞれの方の素質を開花させる重要な要素です。

上で行った6種の基礎十二式で下半身の筋肉に多少の熱が発生している状態で大腿部、ふくらはぎ、股関節のストレッチを行いました。

擺扣穿掌

擺尾掌

蹋歩穿掌

手は脇、肋、腰、胯、大腿部の外側をなぞりながら斜下方向に穿していきます。逆の手は正反対に一直線になるようにピンと張ります。これを行うことにより斜め下に挿す掌だけではなく体の周囲全体に意識がいきわたるようになります。

手を後ろ上方に置くという一見奇妙な動作はただ手をあさっての方向に向けておくだけ、という無意味な動作ではないことは指摘させて頂きます。

轉掌の練習

基礎十二式の練習のあと轉掌の復習を行いました。重要項目の復習をしながら、淌泥步が正しくできていることを確認していきました。

人間はどうしても楽な方向に行こうとするので要訣を解説し右8週、左8週を練って頂きました。今後は合計128週を練れるようなところまで持っていければと考えております。そして最後は站架式の収式で呼吸を整え練習を終了しました。

立樁式

站架式

本日のまとめ

冬の神宮東公園冬の神宮東公園

本日も快晴の恵まれたお天気の中で練習できました。本日の練習で感じたことは、中国武術はやはり屋外で練習するべきだということです。日本人は運動、スポーツを屋内や体育館でやることを好みます。

広い運動場があるにもかかわらず、わざわざ狭くて天井の低い座敷という空間で何かをやろうとします。理由は日本の気候は中国北方に比べて雨が多い気候ということも影響しているでしょう。また中国武術という外来の文化がまだまだ現地に根差していないという状況もあると思います。

中国武術は、私に言わせればというより、中華民族に言わせると、ただの飛んだり蹴ったりという技撃に留まらない所謂、無形文化、つまりは芸道であり、その最終目標は「天人合一」です。この天人合一という境地を会得するには、やはり無限とも思える大地、空、空間の中で運動をするべきだと思います。

中国武術の楽しみ方は様々です。護身術としては十分な実用性を備えています。また中華民族の美的価値観、哲学が内包されています。日本人が外来文化として楽しんでも十分な娯楽性がありますが、できれば中華民族の価値観を認識てその中で練って頂ければより面白いものが見えてくるのではないかと思います。

本日の練習20210116
今日の練習 八卦掌 神宮東公園にて 2021年1月16日2020年の最終練習日は2020年12月27日でした。 https://hanagakibugaku.com/?p=1828 ...
関連記事