日々の練習

今日の練習 八卦掌 御津生涯学習センターにて 2025年6月15日

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本日は2025年月6月15日(日)です。本日は愛知県豊川市御津の御津生涯学習センターにて八卦掌の練習を行いました。

2025年6月15日の練習内容

アジサイアジサイ

本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。

棍を使った拉筋

練習の初めはまずは棍を使った上半身の拉筋を行いました。棍を担いで案山子のようになり、肩関節を固定してそのまま体をねじるようにしました。

要領は、足を肩幅に開いて両足のつま先を正面に向けます。それから棍を横に回していきます。膝、股関節、跨、腰、胸を捩じっていき、最大のところで静止して深呼吸をするという要領で行います。

中国武術では骨盤や股関節とは別に腰の回転を意識する練習を行いますが、腰椎は実際には10度程度しか回りません。大体は胸部当たりの背骨が回転を補助します。

これは柔軟性の向上のほかに、腎臓周りの筋肉や深層の筋肉群に対して運動に参加させるという目的があります。

筋肉が発揮できる出力はおおむね筋肉の断面積に比例するといわれています。概ねです。理論上動員される筋肉が多ければ多いほど筋肉の断面積の総計が広いことになります。

これが整勁という概念につながってくるわけです。中国武術は全身で、或いは整体的動作で、という具合に術理で説明をしてこれを誰もができるように体系化していますが、実際には全身を使うということについてはどのようなスポーツや武道でも謡うごく一般的な概念です。

八卦棍

今回は練習に参加されている方からのリクエストもあり、八卦棍という山東省無隷県呉家に伝わる棍法を練習しました。

八卦棍は呉家の八卦掌系列の中で代表的な兵器の一つです。八卦棍は八段に分かれており各段の動作は八個づつあります。よって合計六十四の動作があるということになります。すべての動作は対打形式で行い、一人が上手をもう一人が下手を練ります。

拳譜上は上手の動作を以て招式の動作としており、下手はそれに合わせて相対する動作を練ります。

主に練るものは棍の操作法や距離、タイミングなどです。動作の要求は長拳系列の棍法を練習したことがある方でしたらすぐに覚えられるものばかりです。難解な動作はありません。一段が八動作ですのでそれを覚えながら練習します。

今回はその中から第一段を練習しました。第一段の構成は以下の通りです。

  1. 上截
  2. 下攔
  3. 攔腰橫棒
  4. 右擊
  5. 左擊
  6. 耳棒
  7. 蓋頂
  8. 中平刺棍

です。上手がこれを行い、下手がこれらに対する動作を行います。今回は私が呉老師から学んだときと同じように招式名を詠唱しながら練習を行いました。

招式名には日本語の発音は用いません。そんなことをしてしまうと思考が日本語になり、中国武術としてものにならなくなるばかりか、現地で学ぶ際の互換性が失われてしまいます。

テコンドーも、柔道も、フェンシングもその体系が成立した地域での名称で動作が行われています。普通のことです。例にいとまがありません。武術太極拳の招式名称もカタカナですが日本語の漢字の発音ではないはずです。

学ぶものはそのままの感性で直接吸収することをお勧めしています。わざわざ翻訳する必要はありません。言語の変換が誤解と齟齬をうむ原因となります。やめるべきです。

阿倍仲麻呂は唐で外国人というハンディを乗り越え科挙に合格し官僚になりました。空海も長安で密教を学んでいます。唐の言葉で密教を習得したはずです。玄奘三蔵は仏教の原典を学ぶため天竺にて仏教を学んでいます。

故人ができたことを今の我々ができないはずはありません。言葉の問題など工夫と要領でさっとクリアして、技術の習得にリソースを割いてください。

棍の練習の効果

話が長くなりましたがここで棍の練習の効果について解説します。棍は両手で持ち、両手の配合と調整をうまくやって最適な動作を導き出す必要があります。

棍を操作しうまく扱う練習をするうちに左右の配合の精度が高まっていきます。一方の手が前に出るとき、もう一方の手は収まるようになるといった具合です。

これらの動作の精度の向上は間接的どころから直接的に徒手技術に転嫁されます。収まる動作がキーポイントになるのは徒手の場合と同じです。左右の配合、整勁の精度、出すほうだけでなく引くほうにも意識をもっていかされ、運動神経の開発とマルチタスクができるように脳が訓練されます。

躺泥歩

躺泥歩は程派八卦掌の基本的な歩法です。ぬかるみの中を滑るように前進することからつけられた名前です。足の前半分を地面にタッチした状態から地面を擦るようにして前進します。

膝を抱きながら一本の線の上を前進します。手は地面を支えるようにしても良いですし、下腹部に当てた状態で行っても構いません。

目線はやや下の遠方をみて、自然に深い呼吸を行いながら歩く練習です。

奪は地支八卦第二段の七つ目の招式です。

まず前脚を一歩前に進めながら両手で上搭手を行い、その後2歩前進しつつ、両手を前足の外側にまで引っ張り落とします。その後前足を扣歩して後ろに向き奏步雙撞を打ってから同じ回転方向で再度180度回転し穿掌を打つという動作です。

歩法で相手とすれ違い背中側に移動して打つという動作です。

本日の練習のまとめ

アジサイアジサイ

本日は愛知県豊川市の御津生涯学習センターでの練習となりました。

今回は八卦棍の第一段の動作を紹介しました。兵器を練れば拳が進歩し、拳を練れば兵器が進歩する相互に影響を与えつつ功を養うのが中国武術の特徴です。

並行して練習し、相互に影響を与えながら高みを目指していきましょう。

 

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