本日は少しもやのかかったいい天気でした。18:30~20:00まで神宮東公園で練習を行いました。

2021年3月19日の練習内容

日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。
放鬆功
本日は私の体調の調整と生徒さんからのリクエストを合わせる形で放鬆功をたっぷりと行いました。
甩手 その2
まずは世間話をしながら甩手を行い腕や肩、背中などの筋や筋肉を伸ばしていきました。台湾の師兄には腕を背中側で振り上げて耳に当る人などがいました。本日はこれを100回以上行いました。主に背中の筋肉を緩めるのに効果があると思います。
甩手 その1
腕を前後に振るタイプのシュワイショウです。膝のクッションをうまい使いながら肩回りが緩むように動かします。
肩のストレッチ
上の動画で紹介させて頂いた通り、肩回りのストレッチをいくつか行いました。背中を開くことが主な目的になります。
ファンソンゴン
上のように腕を振り回す放鬆功も練習に取り入れてみました。叉肩法(前後)
叉肩法の練習です。回す腕はできるだけ一つの大きな面を描くようにします。
雙手繞環(同方向)
左右の腕を同時に前後に回す動作です。可動域が狭いとなかなか難しいです。
交叉繞環 前後輪
叉肩法を左右同時に行う方法です。腕は左右に広がらずできれば体が前後に一面になるようにしてください。
下半身のストレッチ
上半身を十分にストレッチした後、中盤と下盤のストレッチに移りました。ふくらはぎを伸ばしたり、大腿部を伸ばしたり、臀部のストレッチをしたり、仆腿式を行ったりしながら、かれこれ1時間ほどファンソン功と拉筋を行いました。
地支八卦
本日は先週に続き地支八卦の練習を行っています。
開掌
- 相手の手を下に抑える
- 相手の手を下から開く
- 相手の防御を開いて掌打を打ちこむ
という3つの動作で構成される技撃性の動作です。本日の練習では②の「下から相手の手を開く」という動作について解説しました。開く手は扇上、ワイパーのような動作を行うのでありません。動作を文字で解説するのはなかなか難しいですが、肘が支点となり扇の動作をするのではなく、開く手の支持点は尾骶骨の上あたりに置くように考えます。
このようにすれば、手打ちにならず、体の内部で動作の蓄が行われ、外からは予備動作がわかりにくいものになります。また上半身と下半身がお互いに影響し合い、助け合う「上下相隨」という要訣を体現する事にもつながります。
掌打は引かず、その一から前に打ち込みます。それでも胯を鬆して柔軟な身法ができれば十分な蓄勁が行えます。
両手による掌打のポイントはやはり後ろ足の蹴り込みです。100mのスタートの瞬間や剣道で面を打ち込む勢いで前進してください。そして前足を地面に思いっきり突刺し、エアバックがなければフロントガラスと突き破って体が車の飛び出してしまうほどの勢いで下半身に急ブレーキをかけてください。
そして上半身は緩めたままにして掌を前に出してください。そうすれば掌は力を伝えたまま前に飛んでいきます。掌で狙うところは相手の脇腹です。できるだけと思いっきり飛び込み至近距離まで入り込んだところから掌打を打ち込むのがポイントです。
本日のまとめ

本日は平日の夜の時間を使って練習しました。金曜日とあり、一週間の疲れが肉体と精神に宿っているタイミングでの練習でした。私は日頃デスクワークですので仕事をしていると体がカチコチになります。これをストレッチでほぐすというのは気持ちの良いものです。
中国の古代人は病気は気血が上手く巡らず滞ることから発生すると考えていました。ストレッチや体操、推拿や鍼、灸と薬膳料理により気血の巡りをよくすることで病や不調は改善されると信じられており、この考え方は現代の中国人も変わりません。
有酸素運動やストレッチを日常生活に取り入れることは、体の新陳代謝を高め、深層部の体温を高め、また精神的な健全性を向上されることが医学的に示されており、ストレッチや運動を行うことは「積極的休養」と言われ、疲労、特に精神疲労を効率的に除去できることが明らかになっています。
精神医学や疲労のメカニズムが現代ほど解明されていない古代の中国人は、体操や適度な運動が心身の健康に寄与することを経験的に認識していました。
本日は多くの時間をストレッチや放鬆功という技撃性のない運動に費やしました。その後技撃性のある地支八卦の動作を行なったところ、これまでの動作とは格段にスムーズな動作ができることがわかりました。
本日練習した内容は多くはありませんが、練習を始めてしばらく経つと体が軽くなり、気分が軽やかになることが自覚できました。中国武術は護身術として十分な技撃性を持ちながら、体の調子を整えたり、それ自体が趣味として楽しめる余暇活動であったりと、様々な価値を内包しています。
これらの中国武術の面白さ、楽しさを多くの皆さんに知って頂くためにこれからもいろいろなものを紹介したいと思います。
