今日は秋雨前線の影響も弱まり、北の高気圧に包まれたスッキリして気持ちいいお天気となりました。まだ9月ですが、空が高くなり、どんどん日が短くなり、午後は影が長くなってきています。本日は15:00~17:00に神宮東公園で八卦掌の練習を行いました。
2020年9月19日の練習内容
本日の練習内容は以下の通りです。
準備運動
本日の練習は、基礎十二式にて準備運動の代用としたため、あまり多くの時間を準備運動に投入しませんでした。ですが、腕を左右にぶるぶる振る「シュワイショウ」という動作を行ったりしながらある程度の準備運動を行いました。
基礎十二式
本日も準備体操の次は基礎十二式で体を作りました。
- 甩手式
- 柔球式
- 七星起式
- 掩手式
- 穿掌式
- 探掌
- 擺扣歩穿掌
-
擺尾掌
本日も、基礎十二式の第1種目から第7種の動作を練習してから、新しく擺尾掌をレパートリーに追加しました。
甩手式
柔球式
七星起式
掩手式
本日は掩手式について重点的に解説を行いました。掩手をうまく行うコツは、後ろ足の脛あたりで発生させた捻じりを膝、腿、骨盤にロスなく伝え、それをさらに背中、臂、腕、掌にロスなく伝えることです。
- 足が合し、膝が合し、跨が合し、下半身が三合になる
- 肩が合し、肘が合し、手が合し、上半身も三合になる
- 意識が合し、呼吸が合し、力が合して、意、気、力も三合になる。
このようになれば、掩手は自ずとスムーズにできるようなります。掩手式は技撃的な解説をするならば、攻撃してきた腕を内側に捻じる力で払い飛ばしたり腕を挟み込んだりするものです。ですが、体を閉じたり、締めたりする意識でやると本質から外れます。
中国人はこのような体を締め付けたり、窮屈にさせてしまう表現を嫌います。「合」、「抱」という文字を使い、柔の中で力を発揮するイメージを大事にします。
全体が固着せずにスムーズに動くために重要なことは、跨を緩め、沈ませ、開くことです。これができれば全体的な「沈重」の表現、つまり「勢」が出来上がってきます。説明するのは簡単ですが、これを体で表現するにはある程度反復練習をしていただくしかありません。
穿掌式
探掌式
本日は、探掌についても重点的に練習を行いました。探掌は技撃性の解説がしやすい動作ですが、探掌の上半身のポイントは、背中を開くことにあります。一方の手が前に出ていき、もう一方の手は後ろに引かれる、それを大きく行うことで、背中を伸び伸びと開くことが重要です。
また、下半身はしっかりと地面を掴み、跨を強く切ること、そして跨を緩め、開くことも重要です。全身が開いて、頭の中も開けば、動作全体が伸び伸びとして、全体の協調性と強い力が生まれます。これは結果的に技撃性の向上に大きく貢献します。
擺扣穿掌
擺尾掌
基礎十二式 追加内容
本日は、基礎十二式の第8個目の動作である「擺尾掌」を追加しました。この動作は、仆歩を伴いますので難度が少し高くなります。前に大きく手を出し、「蓋」をして、そのまま下に手を流して、大きく前方に押し出す、という流れを左右交互に行います。
仆歩を行うのがつらい方は、高い姿勢で練習しても構いませんが、技撃性を追求するのであれば、低い姿勢を維持できるようにすることが必要です。
低い仆歩を維持できる方は、姿勢の高さが上下しないように注意してください。また仆歩は股関節や大腿部の裏側を強く引き伸ばしますので、練習前には十分なストレッチをしてから行ってください。仆歩の練習は、粘りがありトルクがつよい足腰の養成に大きな効果があります。
単換掌
本日も前回に引き続き単換掌の復習を行いました。単換掌はすべての換掌の母ともいわれ、まず初めに学ぶ換掌の動作です。今後に練習する換掌はすべて単換掌が基本となりますのでまずはみっちり単換掌を練習する必要があります。
本日単換掌で解説したことは、「腰」(ウェスト)をしっかり回転させることです。当会が練習する単換掌では、下半身の形は形意拳の三体式とほぼ同じです。三体式の形を維持しながら、腰(ウエスト)を横に90度程度捻じり、転掌の基本形を作ります。 今後は単換掌を基礎としながら、双換掌、順式掌へと進んでいきたいと思います。
本日のまとめ
本日は、基礎十二式に一つ新しい動作を加え、単換掌の復習を行いました。 八卦掌の動作は、体の深いところにまでいろいろな刺激を与えることになっていると思います。(主観的な感覚です。私は実際に深層の各筋肉の温度の変化の違い血流量の変化、疲労物質の蓄積状態、電気信号の変化を測定したわけではないのでわかりません。
その方法論を持っていません。) ですが八卦掌の練習は体にさまざまな刺激を与えることになるはずです。リラックスしながら覚醒した感覚が出てくる方もいらっしゃると思います。精神面と肉体面はお互いに影響しあうことが知られており、体がリラックスしたり活性化すれば、脳もそれに反応し、逆もあり得ます。
当会では今のところ、動作の解説に技撃の例を出す程度で、対打、対練の類の練習は殆ど行いませんが、カリキュラムの進度、飽き防止、気分転換、等も考えて、今後はそのような練習も参考程度に取り入れていこうと思います。
本日は気持ちの良い天気の中、充実した練習ができました。今後もこの調子で定期的なセミナーを開いていきたいと思います。皆様応援のほどよろしくお願いいたします。