秋雨前線が日本の上空に停滞し、大気な不安定な状態を作り上げています。大陸の高気圧の力が強まり、秋雨前線が南に下がれば本格的な秋の到来です。屋外の練習に最適な季節の到来です。
本日は公園や野外で行われている中国武術の練習のスタイル、流れについて解説します。
目次
早めに来て先にストレッチや準備体操をする人もいる
まじめな人や時間に余裕がある人は、他の練習生が集まる前に練習場所に到着し、各自自分のやり方でストレッチや準備体操を行います。純体操や柔軟体操を号令を掛けながら行うやり方はあまり聞いたことがありません。自分の調子が最も出やすいやり方をそれぞれが認識しており、各自が好きなように練習に備えるという方法を採用します。
だいたいの時間になれば学生が集まり始める
練習の開始時間は、だいたい何時ごろから何時ごろまで、といった程度に学生同士が暗黙で認識しており、その時間になれば学生が一人一人ぽつぽつと集まりだします。師兄が先に来ていることがあれば、師弟が先に来ることもあります。後輩は先輩よりも先に着て来なければならないという意味不明のルールはなく、一人一人の人間がそれぞれ自分のタイミングで練習場に集まってきます。
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世間話をしつつウォーミングアップや準備体操をする
練習場所に到着したメンバーから荷物と飲み物を近くにおいて早速ウォーミングアップや準備体操を始めます。準備運動をする際には、大腿部のストレッチをしたり、それぞれのペースでやっていきます。雑談や世間話をしながらリラックスしたムードで体をほぐしていきます。あとで到着したひとにあいさつしたり、会釈したりしながら、和やかに練習は進みます。
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老師が練習場に到着する
ぞろぞろと学生が集まり、準備運動や自分の宿題を練習していると、老師が現れます。それぞれの運動を行いつつ、老師には「老師好」と挨拶したり会釈したりしながら、練習は続きます。
拉筋と基本功の練習
中国武術の練習はまずは入念なストレッチから始まります。号令掛けを行うことは少ないです。自分のペースで体をほぐします。
体の準備が整ったら、基本功の練習に入ります。立ち方や腿法を一通り練ります。初級者の練習は、師兄の指揮により行われることもあります。この場合、団体練習のような形になります。
この基本功の練習に参加するかどうかは本人の自由です。全員参加ではありません。やりたいな、参加したいなと思う人だけです。違う練習をしたいとおもう初級者は参加しなくても問題ないですし、師兄から誘われても断ってもOKです。
上級者は、初めから基本練習に参加せず自分の練習を行う方が多いです。自分のカリキュラムを持っているからです。
個人個人が自分の課題に取り組む
始めの基礎練習が終わるとあとはそれぞれが自分の課題に取り組みます。ある人は基本功を復習し、ある人は套路を練り、ある人はストレッチを続けます。またある人は老師と歓談します。
質問があれば老師か師兄に問い合わせる
習ったことを復習したい場合、または質問がある場合は、師兄や老師に問い合わせます。動作を見てもらい、意見やコメントをもらって自分の動きを修正し、また練習を続けます。老師は学生の動きには目を光らせていますが、練習中の任意の疑問は学生から自主的に老師に問い合わせて助言をもらうというスタイルで練習をするところが多いです。
老師や師兄は問い合わせに応じて、技撃や概念の解説をします。時には模範動作を見せてくれます。
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休憩は各自自由にとる
全員が一斉に行う休憩時間は取らないことが一般的です。休憩は各自自由に取ります。もちろん水分補給も自由に行います。食べものを食べながらの練習も全く問題ありません。
老師は指導をしたり、お茶やおしゃべりを愉しむ
老師は学生を見て回ったり質問に答えたりしますが、時には老師の友人が突然訪ねてくることもあります。その時は老師はお茶を飲んだり歓談したりして会話を楽しみます。時には老師は友人に誘われるまま帰ってこなくなることもあります。
老師が「下課了」と言ったら練習はそろそろ終了
練習の終了の目安は、老師が「下課了」「差不多了」と言ったり、席を立ったタイミングです。そのころ合いをみて「謝謝老師」と挨拶や会釈を行い、練習はいったんお開きになります。老師は先に帰ります。
練習はいったんお開きになりますが、これは全員が練習を終了しなければならないということを意味していません。そのまま残って練習することは自由です。もちろん老師が練習終わりの合図を出す前に練習をやめて帰っても全く問題はありません。
頃合いが来たら荷物をもってバラバラと練習場所を去る
それぞれのタイミングで「頃合いがきたな」と思った人から荷物をかたずけ、練習場を去ります。後輩が先に帰ることもあれば、師兄が先に帰ることもあります。帰る時間は個人の裁量です。場合によっては飲み物を飲みながら、歓談する場合もあります。
中国武術練習のポイント
中国武術の練習は個人個人が主体的に練習をすることを前提に成り立つシステムです。誰も強制をするものではありません。よって練習に時間通りに行けば何かを教えてもらえる、という考えでは何をしていいのかわからず時間を浪費してしまうかもしれません。
何かしら習ったことを復習していれば、師兄が声をかけてくれるかもしれませんが、自主的に来たい人が来るというスタイルのため、受動的な態度で臨んでも学びが少ないのが中国武術の特徴です。
まとめ
本日は中国武術の一般的な練習のフローについて解説しました。私も公園での練習の際にはこのスタイルで練習しました。時には電話で師兄と連絡を取り待ち合わせして、疑問点を教えてもらったこともあります。
雨の日は誰も来なくなり自然に休みになります。楽しみにして練習場に行ったら誰もいないこともあります。それでも自分の練習を自分のやりたいように行います。
中国人は中国武術の練習を余暇活動として気張らずにライフスタイルに組み込んで、それを楽しんでいます。
中国武術文化は中国の広大な土地と社会で培われたものです。中国武術の練習スタイルは、練習者の国籍や人種、文化背景に関係なく、やはりこの現地の方式で進めることが最も適しているのではと、私は考えています。
中国伝統武術を練習されている皆さんは、もちろんこのような形で練習されていると思います。私がこのような記事で練習風景を紹介しても「こんな当たり前のことを今更ブログに書くなんて」と思われる方がほとんどだと思いますが、本日はひょっとしたら違う方式で練習されている方もいらっしゃるのではないかとおもい、改めて中国武術の一般的な練習フローを紹介させていただきました。
本日のブログが皆様の参考になれば幸いです。