今日は、友人が訪問してくれたので合計3人で練習を行いました。本日の練習内容は以下の通りです。
本日の練習 2020年1月12日
本日の練習メニューは以下の通りです。
暖身、拉筋
練習初めに、首を回したり、腕の筋伸ばし、大腿部の筋肉を伸ばすウォーミングアップを行いました。
剣術の基本功
本日は、剣を持ち寄って、剣の基本動作の練習を行いました。剣術は手首の霊活さが求められます。本日は手首を柔らかく使うための操作を4種類行いました。
站八式
- 弓步
- 馬步
- 打虎式
- 金雞独立式
- 入環歩
- 七星式
- 坐盤式
- 虚歩
これらは、螳螂拳の基本功から借用して練習しています。よって中に七星式という、前足のつま先を勾する特殊な姿勢が含まれますが、基本的には山東拳術共通の姿勢となります。だいたい20秒~30秒程度静止して呼吸を整え、姿勢を作り、要訣を確認します。
楊氏太極拳六十六式
本日は、先日私が呉国正老師に見て頂いた楊氏太極拳六十六式を全員で流してやってみました。私が習っている太極拳の架子は一般的な太極拳と比較して低く、下半身に掛かる負荷が高いのが数ある特徴の中の一項目です。本日はそれを体験していただきました。
拳套(小虎燕拳)
次に、基本拳套として、小虎燕拳という套路を全員で行いました。小虎燕拳という套路は、山東省、遼寧省で普及している套路であり、もともと燕青拳の套路であったと言われていますが、長拳、螳螂拳をねる山東武術の拳師の間でもこれを採用する武館が多く、山東省、遼寧省のみならず、台湾地区でも比較的普及している套路です。
燕青拳の武館で行う小虎燕は燕青拳の風格が、螳螂拳の武館で行う小虎燕には螳螂拳の風格が、長拳では同様に長拳の風格が反映されます。
小虎燕拳の特徴
小虎燕拳の特徴は、起伏があり、連撃、跳躍技法、二起脚、旋風脚、掃腿などの技法が含まれ、全体的にバランスよく仕上がっていることにあります。
剣撃
木剣を使った簡単な自由対練を行いました。剣はガンガン当てない(不要硬碰硬)ことが重要です。剣見を相手の剣身に密着させながら相手の勁を聞き、身法と歩法で攻撃を避け、躱しながら、こちらの剣を相手の手首や膝横の腱に当て、押し切る、または引ききる動作を練習します。剣の解説については下記のブログを参照ください。
槍術 攔拿扎
槍術の練習は
- 攔槍 槍にねじりを加えて攻撃を外側に弾き落とす
- 拿槍 槍にねじりを加えて攻撃を内側に弾き落とす
- 扎槍 槍にねじりを加えて、ねじ込み貫く
を1セットにしたもの、つまり「攔拿扎」を練習しました。本日指導して改めて理解できたことは以下の通りです。
- 紅槍櫻(先のふさふさ)は勁道を確認するためにも使えること
- 攔、拿、扎、それぞれの槍術の動作は、槍を話して徒手での動きにもそのまま使えるということ
- 攔=体のねじりの力で相手の攻撃を外側に弾き飛ばす
- 拿=体のねじりの力で相手の腕を掴んで相手の体ごと地面に叩き落とす、相手の腕を掴んで肘をへし折り、または肩を脱臼させる。
- 扎=体の中で作られた螺旋の勁を帯びた拳で相手を打つ
また槍の動作を体で行えば、手だけを弾き飛ばすこともできれば、相手の重心ごと狂わせることもでき、また肘や肩を決めながら槍の攔拿扎の動きをすれば、関節技、投げにもなること、手を弾き飛ばす動作は、手の急所を狙えばそれは打として使えること、が再認識できました。
まさに
- 以槍練拳,以拳練兵(槍で拳を練り、拳で兵器を練る)
- 兵拳合一(武器術と拳術のシームレスな統合)
- 打拿雙全(打撃と関節技の融合)
を体現できた一日でした。
槍術と槍法の解説は以下のブログの
「槍 ~兵器の王 天下九州を貫く紅槍纓と游龍の身法~」
を参照ください。