4月に入り暖かい日が多くなってきました。本日は適度な湿度がある春らしい一日でした。18:30~20:00まで神宮東公園で練習を行いました。
2021年4月3日の練習内容
日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。
放鬆功
本日もたっぷり時間をかけて放鬆功を行いました。私の放鬆功の順序は体の上から下に向かって行っていきます。まずは後頭部のツボ押しを少し行い、その次に首筋のマッサージを行いました。
頭のほうからマッサージをしたり緩めたりすることで、気という概念的なものが上から下に落ちやすくなり、リラックスと重心を落とす効果がより高められると考えています。
首のマッサージを行ったあとは、肩、上腕、肘、前腕、合谷というツボに合わせて腕のマッサージを行っていきました。穴位(ツボ)というのは気の概念が通る道の交差点のようなところであり、ここに適度な刺激を与えることにより、気の概念の流れをスムーズに行うことができるようになります。
以下の動画のように気にもたれかかり腕と上盤全体のストレッチも行いました。ポイントは腕を伸ばすということより、「背中を開く」ということに注目しています。
腕と手のマッサージは、親指、人差し指、中指に係る手の表側の気脈をなぞり、そして薬指と小指に係る気脈をなぞるため、肩甲骨の下部→脇、腕の下側を中心にマッサージを行いました。
その後は、背中、腰、胯へとストレッチを進めていきました。ストレッチを行えば、自然に背中が開き、胸が自然に緩みます。中国武術の要訣ではこれを「含胸抜背」と呼びます。また上半身がリラックスすると呼吸が深くなり、呼吸が腹部の下側まで通じるようになります。「気沈丹田」といいます。
気沈丹田が行われ、背中が開くと自然に腕に張力が出て力を入れなくても崩れない自然な圧が生まれることを発見しました。このようにいろいろな運動を行いながら、体の奥から緩めていくことに時間を使いました。ですから本日は1時間程度上半身のストレッチをおこなったことになります。
下半身の拉筋
上半身を緩めた後は、下半身のストレッチ中国語でいうと「拉筋」や「壓腿」を行いました。
先ず行ったのは、足首のストレッチです。上の動画で少し紹介していますが、垂直の壁に足を預けて足首の柔軟性を練ります。次はアキレス腱とふくらはぎのストレッチを行いました。ふくらはぎを効率よく伸ばすには、伸ばす足のつま先をまっすぐ前方に向けることが重要です。このようにすれば膝関節に近い部分のふくらはぎをしっかり伸ばすことができます。
足首とふくらはぎを伸ばした後は、足を腰程度の高さの台に載せて「壓腿」を行います。壓腿では軸足のつま先を真正面に向けるとひざ裏の腱をしっかり伸ばすことができます。大腿部の裏側やこわばりが強いところを叩いたり、揺すったりすることで刺激と振動を与えることは柔軟性向上に非常に有効です。
大臀筋、股関節の柔軟とストレッチも入念に行いました。
放鬆功の効果
放鬆功一式を行って頂いた後、すこし馬步で站樁の姿勢を取って頂きました。そうしたら背中が緩やかなC型となり命門が凹まない状態になっていることに気が付きました。
含胸抜背を作るために胸を押さえたり、命門を貼り出させるために尾骶骨を内に収めさせようとして、外部から姿勢を矯正しようとする指導法もあるようですが、そのようなことは行わずただ体全体を深めに緩めることにより、背中が立身中正を適度に守りつつお尻が突き出さない姿勢を導けることを発見しました。
淌泥歩
基本の淌泥歩
淌泥歩+雙撞掌
淌泥歩+雙抱掌
放鬆功で出来上がった感覚が冷めないうちにその感触をつかって淌泥步を練りました。以前よりも背中が楽に開くようになっているようです。
八卦站樁
淌泥步を行った後、次は転掌行わなくてもできる樁法を紹介しました。八卦站樁は転掌を行っている際の姿勢で静止するというものですが、これのメリットは、場所を選ばないことです。室内や軒下などのスペースがあれば練習できるため天侯に関わりなく練習できます。
本日のまとめ
本日の練習は、技撃的な練習を全く行いカリキュラムを組みました。
こう受けてこう打つ、こう受けてこう極める、と言った内容は全く練習しませんでしたが、体を奥深くから緩め、運動能力を底上げすることにより技撃の能力が高まる可能性があることを確認できた練習でした。
本日は体を奥からストレッチする方法をお伝えしましたが、これらのやり方は全て補助なしで行えるものとなっています。ですから人に助けてもらわなくても自分で体調を調整する補助となりうるものです。
ストレッチを行えば、体の可動域が広がり、筋肉も適度に使われるため、体が軽く感じるようになります。体が軽くなれば、気分が爽快になり、精神的なポジティブ感が増します。これは人との無益な衝突を避けることにつながるため、中国武術のなかの体操的な部分だけを抽出して運動を行っても人生の充足を高めることにつながります。
花垣武学研究会では、中国武術の実用性はもちろんカバーしつつも中国武術が持つ有用性を余すところなく紹介するためこれからも活動を続けていきます。