本日は午前9時から11時まで神宮東公園で練習を行いました。
2021年4月11日の練習内容
本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。
歩行
本日は練習を午前中に行いました。人間は朝起きてからしばらくの間はまだ本調子が出てきません。本調子が出ない状態でいきなり高負荷の練習をすると運動障害を起こす確率が高まり、運動のリスクが効果を上回ってしまいます。
まずは神宮東公園の噴水の周りをお喋りをしながら2週廻るところから練習を始めました。
放鬆功
歩行をした後は毎回同じく上半身の放鬆功を行いました。腕のストレッチを中心に行いましたが「腕のストレッチ」は実際には腕のストレッチではなく、腕につながるすべての部位を伸ばし、体の深部を伸ばし緩めていることを意識しました。
上の動作でも腕を伸ばしていることは事実ですが、意識を腕ではなく胴体の深部に置くようにしながら深く緩める、という事を意識しました。
深いところをイメージしながら拉筋を行ってから「甩手」の動作を借用して遠心力を使って筋を伸ばしていきました。
下半身の拉筋を一式行い、次の練習カリキュラムに進みました。
淌泥歩
基本の淌泥歩
淌泥歩+雙撞掌
本日の雙撞掌の練習はいつもより一歩進んで、形を作り、張力を維持したまま無駄な力を抜くことを意識しました。掌と指の意識をしっかり維持して指を張りながら、筒状の意識を維持したまま力を入れないという練習方法です。
放鬆のイメージがしっかりできていれば張力を維持したまま硬くならないという一見矛盾する(矛盾はしていませんが)状態が自然に維持できます。
淌泥歩+雙抱掌
本日は雙抱掌のやり方も一ひねりしてみました。これまでは全身全霊の力を込めて形を作るやり方で行っていましたが、全身全霊で出す張力を維持したまま体を適度に弛緩させた状態で歩くという練習を採用しました。
剣撃
本日は生徒さんがドンキホーテで売っているスポンジのチャンバラ剣を1対持ってきてくれたので、それを使って中華剣術の用法や剣撃について解説しました。中華世界では後世や近代において、剣は既に戦場の主兵装ではなくなっています。
剣が戦場で使われたのは戦国期や漢代までで、その後は刀が短兵器の主兵装になるわけですが、両刃の剣は文士の佩剣として武術の中に一定の地位が確保され現代に至っています。私が練る剣の攻防技巧も相手の体を断ち切ったりする動作ではなく、文士の護身の技術が中心となります。
本日はスポンジのチャンバラ剣を使ってその剣術の実用的な部分の一端を紹介しました。私は剣を持った場合、主に相手の手首を攻めます。攻撃を刃で受けると刃が痛むので攻撃はできるだけ体をかわして行い、同時に手首の腱や血管を切る、という方法をとります。
機会があればカラーバットを使って紹介したいと思います。
開掌
本日は地支八卦の練習を行いました。本日は開掌を使って「上虚下実」の要素をしっかり確認する練習をしました。両足の歩幅はできるだけ狭くします。これは
- 体の投影面積を狭くし、打撃を受けにくくすること
- 鋭い二等辺三角形の形を作ることでベクトルを鋭くし打撃力を強化すること
が目的です。そして後ろ足の足の裏でしっかり地面を蹴り、足の力で掌打を打つ事を強く念じます。そうすることで力は足から出ることがしっかり意識できます。
さらに、上半身の力を適度に抜くことで地球を蹴り出して発生した前進の力が腰、背中、肩、肘、腕で減衰しないで指先まで伝わるようします。本来、打撃は足で発生したものが、胯で増幅され、背中、肩、肘、腕でさらにパワーアップして最大の状態で相手に当っていくべきですが、上半身が力んでしまっていると上半身がただのマネキンのようになり、更に最悪なことにどんどん力が減衰していくという理想からは程遠い状態に陥ってしまいます。
下盤をしっかり練り込み、上半身に余裕を作ればこの問題は解決します。但し、相当つらい練習を時間をかけて行わなければこの状態は作り出せません。手間はかかることは理解しておいてください。
筋トレでパワーを上げて打撃力を増そうとするアプローチは単純で簡単ですが、中国武術は全体の協調性を上げるという別の方法論で技撃性を上げるアプローチをとります。それぞれにメリットデメリットがありますが、私はこのやり方に魅力を感じています。
棒掌
棒掌も同様に下半身で地球を蹴り出す力を使って打ち出します。本日は上半身の力を緩めた状態でスムーズに動作を行うことに注目し練習を行いました。まずは形をしっかり作るところから始め、形が脳に刻み込まれたら渾身の力で打ってみる練習をし、力が乗ってきたらその威力を減衰させずに力みを外して運動の効率を上げていく訓練をしていきます。
本日のまとめ
本日のお天気は快晴、風もなく暖かく、春らしい鮮やかな新緑の芽吹きが本格的な夏への移行を気づかさせてくれる天気でした。公園全体が淡い緑に覆われていました。お散歩をされる方、スポーツをされるかた、お弁当を持って散策される方がたくさんおられ、外の環境で練習することがリフレッシュになることを実感した一日でした。