外出自粛が続いたGWはあけましたが、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が延長されております。新型コロナウイルスの影響の為、しばらく一人で練習をしていましたが、本日は久しぶりに2人練習となりました。
本日は、北派武術の基本腿法などを交えながら、八卦掌の基本功と歩法の練習を行いました。
今日の練習内容
今日の練習内容は以下の通りです。
拉筋
本日は下半身の練習をしました。まずは公園の花壇のブロックや、ベンチの背もたれを使って中国式ストレッチを行い、ふくらはぎと大腿部のストレッチを行いました。もちろん雑談しながらです。ストレッチをするときには筋肉を強引に引っ張るのではなく、自重を使って自然に伸びるのを待ったりしてみましょう。
腿法
足技、蹴り技です。八卦掌にも明確な攻撃性を持った蹴り技はあります。ですが本日は八卦掌に限らずすべての北派武術に共通する基本功として、いくつかの腿法を行い体を動かしていただきました。
弾腿
膝のバネを使って腰の高さを蹴る動作です。基本的な動きとしては、まずは膝を上げ、その後、脱力した脚先を蹴りあげ、蹴りきったところでの自然な跳ね返りを使って足を戻す、というものです。弾腿の名前の由来は、スプリングが弾けるような弾力で鋭く蹴り足をけりだすことにあります。
まずは膝の高さ程度で慣らし運転を行い、次は腰の高さでの弾腿、そして、膝を上げた状態で3秒キープ→蹴り切った状態で3秒キープ→足を戻して膝を上げた状態でキープという負荷が高めな動作も練習して頂きました。
正踢腿
両手を横に伸ばし、バランスを取ながら、真っ直ぐにした脚を上に蹴り上げる動作です。長拳の基本功でよく練習される北派武術の基本功です。軸足の膝を伸ばし、蹴り足の膝も伸ばし、上半身をまっすぐにしながらできるだけの高さで練習して頂きました。柔軟性が高まるとともに、平衡感覚が練習できて良いと思いました。
これらの動作は八卦掌特有の動作ではありません。蹴りが苦手だから蹴りが少なそうな八卦掌や形意拳をしたい、という方時々いらっしゃいますが、基本的にその考え方は捨てていただいたほうがいいと思います。
なぜなら八卦掌、形意拳、太極拳に限らず腿功はとても重要な基本功です。練拳は練腿です。中国武術を本格的に練習する際には低い姿勢と腿法から逃れることはできません。
基礎十二式
甩手式
基礎十二式の第一動作です。上半身の放鬆を心がけて行います。上半身の放鬆と下半身からの力の伝達をイメージして練習します。
揉球式
基礎十二式の第二動作です。大きなボールを抱えたイメージを持ちながら体を動かします。
七星起式
基礎十二式の第三動作です。跨の霊活性を練ります。後ろ足の踵が浮いても問題ありません。
掩手式
基礎十二式の第四動作です。「開」と「合」の概念をイメージして動きます。膝と跨があえば肘と胸が合います。
趟泥步練習
本日は、步法練習として直線版の趟泥步を練習して頂きました。両手でバランスもとりつつ、目線の高さを変えないように心がけながら練習します。慣れればスムーズに動けます。程派八卦掌の標準的な歩法です。
背筋を自然に伸ばしながら、遠い下方見て進んでいきます。上半身は自然に力を抜いて、意識を歩くことと呼吸に集中すれば雑念が取り払えます。
基本の趟泥步
雙撞掌+趟泥步
趟泥步と同時に上半身に雙撞掌を加えることにより、形を作るのに全身に意識を張り巡らさなければならなくなり、難易度が急激に上がります。形をしっかり作り、張力を維持したまま無駄な力を入れず、胸の前に作った圏(丸いイメージ)がつぶれないように、練っていきます。
これをおこなうことにより、上半身の筋肉にも負荷がかかるようになります。まさに「培養整體的勁道」(全体の力の養成)の練習となります。
また動作要求と呼吸にのみ意識を集中すればそれ以外のことが頭の中から抜け、最終的には真っ白な頭で「ただ歩いているだけ」という心境になれます。これは仏教でいうところのお経を読みながら歩く修行法や、写経をしている途中の心境に共通する部分があります。
この種の心境になれば、脳内からいわゆる「ゴミパケット」がクリーンアップされ、脳の疲労が軽減されるという学説が科学的に提唱されています。
本日の練習のまとめ
本日はマンツーマンのレッスンとなりました。一応緊急事態宣言発令中ということで、接触しない練習体系を選定しています。対練型の練習方式は採用していません。動きを真似してもらったり、意義を解説したり、ウォーミングアップを含めて2時間弱です。
まだまだレッスンの開催し始めて日が浅いですが、しんどい中にしんどいだけではなく、武術を愉しんでもらえるように工夫を続けたいと思います。カリキュラムについては今後もどんどん試行錯誤を続けます。