本日は2022年月1月30日(日)です。本日は1月最後の日曜日です。1月もあっという間に過ぎ去ろうとしています。本日も午前9時から11時まで名古屋市熱田区の神宮東公園で練習を行いました。
2022年1月30日の練習内容
本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。
歩行
本日の練習の一番初めはまずは歩行です。公園の噴水の周りを2周まわり、少しだけ体のエンジンを温めました。
放鬆功
歩行の後は、まずは首のストレッチから始めました。まずはあごをできるだけ上にして首筋を伸ばしました。その後、顔を最大まで下に向け、首の背骨部分あたりの筋から背中までを伸ばすようにしました。
その後は、顔を左と右に最大限向けて一時的に停止し、角度をキープしたまま力を緩め、再度力いっぱい首を横にひねるという動作を繰り返して首から肩回りの筋肉をほぐしました。首を横に回した後は、顎を回転させて回る角度が拡大するようストレッチを行いました。
首のストレッチを行った後は肩回りと胸回り、背中周りのストレッチを行いました。以下の動画の動作を行って肩関節、肋骨回り、背中から首にかけて全体を伸ばします。伸ばすといっても強引に引っ張るわけではなく、筋肉や腱に緩んでくれるようにお願いするんです。
甩手
放鬆功が終わったら次は甩手で腕を振りながら腕の気血の通りをよくしました。まずは前後の甩手からです。この一連の動作を気功に取り入れているところもあるようです。気功としての効能もあるようですが私がこれを武術の基本功の基礎として活用しています。
前後の甩手を行った後は体の周りを左右に振る甩手を行いました。だいたい50回以上行えば少しづつ体がほぐれ腕の自然な重みで腕が振れるようになります。顔の向きを変えながら行う方法と顔の向きを固定したまま行い、結果的に首が回転するような方法があります。
叉肩法 後輪、前輪
本日は甩手の後は五行通背拳から借用した叉肩法という腕回しを行いました。前回よりも可動範囲が広くなってだんだんと角がとれて動きが熟成されたものになってきた気がします。
叉肩法の前回しバージョンです。前後ともに跨の切りを使って行います。後ろから前に落とす方が動作としての違和感は強いので訓練が必要です。
ウェストと股関節のストレッチ
叉肩法のあとは地面に結跏趺坐(座禅で行う足を組んだ座り方)で座り、そのまま両手をそれぞれの膝に置いて上半身を揺らします。そうするとウェスト、つまり背中の両腎臓部分にある筋肉と腱のストレッチになります。上半身を揺らしたり、地面に手をついたりするとウェストが伸びます。
身法には跨、腰(ウェスト)、胸などの動きが関連しますが、その中で腰の動きに制約が多い方がいます。本日は腰の柔軟性を高めるための練習を行いました。
腰のストレッチの後は跨の可動域を大きくするために段差のある所に片足を載せて、またストレッチを行いました。跨といいますが、鼠径部と大腿骨の丸いぐりぐりのところの可動域をどうやって広げるかです。
ですが中国伝統武術では鼠径部や大腿骨という表現はしません。これをしてしまうと意識がその骨と関節だけに集中してしまうからです。股関節全体の概念として「跨を練る」或いは「鬆跨」という考え方で練習するのが中国伝統武術的には正解です。
淌泥步
程派八卦掌で最も基本となる歩法を練習しました。一直線上を足を滑らせるようにして前に進みます。両膝は抱して自然呼吸とリラックスを伴いながら歩行します。
両手を前にだしながら前進します。足の要領は基本形と同じです。手は力まず肩を絞めず自然に落し、肘は横方向に向けたまま墜肘します(普通にできることです)。
両手を胸の前に突き出し、両肘を合しながら前進します。
地支八卦
開
地支八卦の一つ目の動作です。開掌です。まず相手の前腕に手を添えるところから動作はスタートします。相手の手をはたき落とすのではなく、産毛の感触がある程度の状態で添える感じで置きます。それから一歩前進しつつ下から手を持ち上げて、両手を合わせ、手を引かずに打ちながら前進する動作です。
本日解説したポイントは、動作の開合と蓄発です。開合には、足の開合、膝の開合、跨の開合、胸の開合、肘の開合、手の開合と、呼吸の開合、つまり気の開合ですね。そして意や神、つまり精神の開合があります。これらをすべて結合しタイミングよく、タイミングをずらしながら、すべてが合わさって打つことで整体の勁がでます。
開掌に限らず中国武術では力の出どころは足です。力強く地面を蹴って前進し、力強く急ブレーキをかける、そして十分に緩んだ上半身を放鬆してさらに呼吸のふいごで体を噴かせると、腕は、シートベルトをしないマネキンの人形がフロントガラスを破って前に飛び出していくかのように前方に突進していきます。
これが簡単にできる中国武術の発力です。誰でもできるようになります。自転車と一緒で一度感触をつかんだらあとはいつでも再現できます。ただし感触をつかんでそれが体に定着するまでかなりの時間の投入と訓練が必要です。これが功夫です。
発力が上手くいかないという方がいらっしゃったら私が手助けします。
本日のまとめ
本日は曇りの寒い一日でしたがいい練習ができました。ただ体力を消耗して運動で新陳代謝が上がって気分が爽快になったというだけではなく、開合と発力の構造について理解が深まった良い練習でした。
練習の時にはいろいろなことを議論し、考え、試行錯誤を繰り返しながら何か今までになかった新しい感覚、発見、気付きを見つけていくようにしていきましょう。