本日は2022年月6月19日(日)です。一か月感覚が開いてしまいましたが、愛知県豊川市御津の御津生涯学習センターで八卦掌の練習を行いました。
2022年6月19日の練習内容
本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。
放鬆功
本日はまず一番初めに甩手から練習を始めました。特に大きな意味はありません。練習の順序を時々変更しながら最も最適で効果的な練習順序を探す試行錯誤の一環です。
まずは前後の甩手から始め、次に体の周囲を回す甩手に移行しました。体の周囲を回す場合は負荷の少ない動作から初めて、最終的には振り回している側の耳や、逆側の手の肩甲骨に当たるところまで腕を振るようできるようになれば上々です。
甩手で上半身を温めた後は、あたらめて上半身のストレッチをしました。肩、首、背中、脇腹等全体の筋肉や腱をストレッチさせることにより、上半身の強張りがなくなり、気血の通りがよくなります。こうすれば勁が滞りなく指先まで伝わるようになります。
上の動作は脇腹部分のストレッチ要素が強いですが、下の動画のストレッチでは胸や背中のストレッチ要素が大きいです。前腕や上腕自体も緩むことは緩みますがそれほどの効果はありません。どちらかといえば胴体の深層を緩めること目的にしています。
五行通背拳基本功
ファンソン功を練った後は、五行通背拳から動作を借用し、腕回しを行いました。下の動作は腕を体の側面方向に回す雙手繞還です。手が前後にぶれないようにします。体の真横だけ、体の厚み分だけで腕を回すようにします。
下の雙手繞還は手を前後の同方向に向かって回す練習です。後ろから前に向かって回す動作がスムーズに動くようにするには訓練が必要です。
架子の練習
本日は八卦掌の基礎となり、なおかつ北派武術の共通姿勢であるいくつかの架子について多少細かいところの指摘も交えながら解説しました。本日練習した姿勢は以下の通りです。
弓歩
前膝を90度に曲げ、前腿上面を地面と水平にします。これが標準的な高さです。標準的な高さより高い姿勢でやっている方もいます。前足のつま先はやや内側に扣します。弓歩では少しだけ扣すればいいです。
後足の膝は完全に延ばし、膝は下を向きます。後ろ足のつま先は最低でも45度以上前方に向けてください。つま先が横に向いた状態はNGです。つま先が前方に向くようにするには多少の訓練が必要です。
跨はしっかりひねり、後足側の骨盤が前足側のその場所より前にくるくらいの勢いにします。
上半身の姿勢は門派により異なるのでここ割愛します。
馬歩
つま先を前方或いはやや内側の方向に向け、腰を落としていきます。大腿部上面は水平に近いところまで落とします。膝の位置はつま先と同じ程度の位置に置きます。つま先を絶対に超えてはいけないということはありませんが、膝がつま先の位置より大きく前にある状態はNGです。
膝は内股にならずガニ股にもならず自然なアーチができるようにします。
お尻は突き出さないようにします。立身中正を保つために前傾姿勢をとってはいけないという方はそれでも問題ないと思います。ですがその場合は分度器をもってきて、絶対に上半身が前傾にならないように厳密に角度を測定し、それが本当に自然で合理的で有効な姿勢であるかを検証してください。
金鶏独立
片足の膝をおへそより高い位置に置き、おへその前に置きます。持ち上げた足のつま先をぴんと伸ばします。軸足の膝もほぼ完全に延ばしきります。上半身は背中が丸くならず、かつ胸を張らない自然な姿勢をキープします。
虚歩
片足前に置き、虚にします。つまり重心をほぼかけない状態すると言うことです。後ろの足の膝を曲げて、大腿部がほぼ水平に近くなるまで姿勢を落とします。上半身は前傾姿勢になりすぎないようにしてください。前傾姿勢自体に問題ありません。
仆歩
両足を平行にし片方の膝を伸ばしたまま片方の膝を曲げて、低い姿勢を作ります。伸ばした方の足のつま先は足から90度、つまり前方を向く形になります。上半身はやや前傾した姿勢で自然な状態をキープします。
今回練習した姿勢は山東省の膠東地区で標準的な姿勢です。河北省、遼寧省、河南省東部でもほとんど変わらないのではと思いますが、姿勢は各門派、支派、系譜により思想が異なります。
本日練習していない三体式や入環式などという門派独自の姿勢は、概していうと、上の歩形のマイナーチェンジと言えます。歩形の名称も門派により異なりますので、それぞれ好きな名称を名乗っていただければと思います。
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地支八卦
本日は架子の練習の後、地支八卦の開と捧を練習しました。
開は、攻撃を軽く押さえ、内側から出してきた手で相手の体を開き、両手の縦掌を打ち込む動作です。後ろ足のつま先で地面を蹴り押す力を打撃に変えます。ちょうど短距離のスタートダッシュの瞬間の要領で地面を押します。
捧は相手の攻撃を斜め前に移動して避けつつ、脇腹か腎臓のあたりに掌打を打ち込む動作です。
本日は単招だけでなく、上手、下手のコンビで行う対練形式で練習を行いました。呉国正老師による模範演武がありますので参考にしてください。
本日の練習のまとめ
本日は梅雨の晴れ間ということで暑いお天気の中練習しました。豊川市御津は海風が届くところで風通しが良かったので気持ちよく練習できました。私が練習する高義盛派八卦掌は、転掌で功を練りつつも、地支八卦で技撃を練るという、二本立ての練習カリキュラムをもっていることが特徴です。
これらをバランスよく練習し、適度な負荷で体を作れば、まあまあの健康とそこそこの自信、ほどほどの充実感のある人生を送ることができます。
これからますます暑くなってきますが、中庸の徳、不争の徳を思い出しながら練習をしていっていただければと思います。