武術やスポーツ、何でも構いませんが、毎日練習する事を日課にしている方はいらっしゃいませんか。結論から申し上げると、私は毎日の練習を推奨していません。
今日は毎日練習することの弊害について語りたいと思います。
目次
毎日練習することのメリット
毎日練習すると技術的な進歩が速くなります。それは、脳と体の記憶が薄れる前に練習することにより記録が上書きされ、技術的な出戻りが少なるからです。よって上達するために毎日練習することには意味があります。
毎日の練習は技術の向上には意味あり。
毎日練習することのデメリット
毎日練習することにはそれ相応のデメリットがあります。
毎日やらなければ、という意識が潜在的にプレッシャーになる。
毎日やらなければならない、と思うこと自体が潜在的にプレッシャーとなります。適度なストレスは脳にプラスの緊張感を与えますが、過度なストレスが脳にかかり続けると脳は損傷し、気づかないうちにどんどん消耗します。
過度のプレッシャーはストレスになる。
疲労が回復しない
毎日同じカリキュラムを行った場合、身体の疲労が回復しきらないうちに翌日の練習を迎えることになります。これは筋力の正常な成長を阻害します。よってパフォーマンスは上昇するどころから筋力低下からパフォーマンスの低下を招きます。体のことを考えると筋肉の張回復を待ってから練習を再開すると良いと思います。
筋肉の疲労と正直に向き合おう。
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毎日練習しない実例
毎日練習しないトップアスリートたちの事例を紹介します。
その1 プロ野球のピッチャー
プロ野球の先発投手は、中4日が基本です。
登板→完全休養→ランニング等の基礎運動→投球練習→軽い投球→登板
これにより、肩や肘の酷使を避け、選手生命の延長とパフォーマンスを維持を行い最高の効用を求めます。野球チームの監督も特定の選手に過度の負荷がかからないようにローテーションを考え、チーム全体のパフォーマンスが最大になるように戦略を立てます。
その2 野村忠宏選手
アトランタオリンピック、シドニーオリンピック、アテネオリンピックにおいて、柔道史上初の3連覇を達成した野村忠宏選手は現役時代、週4回の練習を行っていました。
トップアスリートはスポーツトレーナーからのアドバイスを受け、練習内容を適切に管理しています。
毎日練習することの最大のデメリット
毎日練習することの最大のデメリットは、上の2件だけではありません。毎日練習することの最大のデメリットは、これです。
飽きる
飽きることです。人間、毎日同じものを食べると飽きてきます。同じことをやってると、「あーだるい」となります。こういう心の正直な表現を押し殺してしまったり、抑圧することは有害です。中国武術は画一的な規格で作られた工業製品ではなく、いわば藝術作品です。藝術作品は、心が乗り切らない状態ではいいものはできません。
心から、「動きたいなー、やりたいなー、楽しいなー」という気持ちで作り上げたものは、必ず名作となります。
「飽きる」ことはモチベーション低下の最大の原因
まとめ
茶芸の銘品や後世に残る音楽の傑作と同じような名作を作り上げていきましょう。そのためには毎日練習しないこと、が大事というのが私の今の考えです。