皆さん、怪我や運動障害で練習を中断し悔しい思いをされたことは無いでしょうか。今日は運動障害を防止するためのポイントについてお話しします。
結論から言うと、準備運動を入念に行いましょうということです。これは近代スポーツでも中国伝統武術でも同じことです。中国武術には運動障害を防ぐための工夫が盛り込まれていますので今日はそれを紹介します。
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運動障害を防止するポイント一覧
運動障害を防止するポイントを以下の通り解説します。
練習時間を定めないこと
練習時間を何時から何時までときっちり定めてしまうと体と心もそれに合わせて動くことになってしまいます。練習時間は大体で何時ごろから何時ごろまで、という具合に設定しておき、ウォーミングアップに時間を取りたい人は早めに来れば自分の調子をしっかり整えることができます。
時間設定は緩めにしましょう 時間にせかされることは緊張を生みます。
号令をかけないこと
号令をかける、ということは、即ち、自分以外の人のペースに自分を合わせなければいけなくなるということです。初級者には初級者のペースが、上級者のペースがあります。もし上級者にあわせて号令通り動いてしまうと、初級者にとっては運動強度が高くなりすぎます。
運動障害の元は、初級者が上級者に追い付こうとして無理をしてしまうことに起因することがほとんどです。上級者は初級者には適切な負荷で練習することを伝え、初級者も現在の自分のコンディションにあった負荷の内容を練習するべきです。
号令をかけることは、指導者にとっては効率がよく、楽に学生を統率できるので都合が良いですが、学生それぞれに対する個々の対応として最適かどうかは疑わしいです。
中国武術では、準備運動は上級者も初級者もそれぞれのペースでそれぞれの時間をかけて行うようカリキュラムが組まれています。
号令は個人のペースを崩します。
上半身から緩めていくこと
上半身から体を順番にほぐしていきましょう。上半身は体重を支える必要がないため、細い筋肉が多いですので、丁寧にほぐしていきましょう。
前日の記事でも紹介しましたが、穴位(ツボ)を押したり、肌をさすったり、筋肉をもむことは、リラックスに大きな効果があります。痛みに耐えてよく頑張って筋を引っ張るというのは、いまどき古臭いです。痛気持ちいいところでキープしながらじんわり体をほぐしましょう。
体は上からほぐそう
一度体温を上げる
簡単なストレッチが終わったら、ジャンプ、ランニングなどを負荷の軽い運動を短時間行い、体温を上げてください。少し汗ばむ程度で問題ありません。
体を温める、つまり筋肉を温めることで筋肉の強張りがなくなり、筋肉の柔軟性が高まります。気分が高まり、筋肉が発揮できる運動量がアップします。
一回体を温めよう
再度深めのストレッチ
体温が上がったら、すこし深めのストレッチを行ってください。体を緩める際は呼吸は絶対に止めないでください。自然呼吸を意識してください。体が温まるとストレッチの効果は自然と高まります。冷蔵庫のカチカチのチューインガムは、パキッと割れますが、暖かいガムはフニャッとなりますね。これは人間の体にも当てはまります。
体が温まってから体の深い部分にアプローチをしてみてください。
温まった体でストレッチをすれば、拉傷(筋肉を伸ばして傷める)を防ぐ
お喋りをしよう
「私語禁止」を禁止しましょう。仲間と楽しくお喋りしながら楽しくやりましょう。心の緊張は体の緊張を招き、体の緊張は心の緊張を招きます。中国語で緊張は日本語ではストレスと言い換えることができます。私語禁止では練習仲間や老師とのコミュニケーションが図れません。お喋りの中から交流が生まれ、有益な情報の交換が生まれます。情報交換から学びと気づきは生まれます。
私語禁止は禁止。お喋りはリラックスと情報交換ができます。
まとめ ~上達のための最高のコツ~
スポーツでパフォーマンスを発揮し続ける最高のコツ、それは、けがをしない事です。これは普遍的な事実です。
トップアスリートが脱落する理由も運動障害に起因することが多いです。けがをすれば、練習を中止せざるを得ず、パフォーマンスは低下してしまいます。適切な処置を行わなければ選手生命にも大きな影響を与えかねません。
怪我をせず、長い間パフォーマンスを維持するアスリートは体を適切に管理するノウハウを持っています。ストレッチ、スポーツ栄養学、スポーツ科学を総合的に勉強し、自分の潜在能力を高め、自分と対話し、自分の「作品」を作っていきましょう。
本日のブログが生涯学習として中国武術を学ぶ方、ライフワークとして、趣味として中国武術を愉しまれるかたの参考になれば幸いです。