スポーツや武術に於いて練習する環境は重要です。今日は武術を練習する上で留意する環境を中心にお話をしたいと思います。
目次
良い環境で練習するメリット
運動や武術に適した環境で練習を行うと、雑念が取り払われ、技術の習得に対する集中力が高まります。人間は雑音、湿度、風速、温度、痛み、匂い、触感、尿意、空腹感等様々な外的、内的な刺激を感じながら生きています。集中を阻害する刺激をできるだけ排除し、有益な刺激を与えることにより、集中力が高まり、運動の効果をより高めることができます。
良い環境は大きい効用を生む。
良くない環境で練習するデメリット
良い環境で練習を行わない場合、どのようなことになるか説明します。
集中力がなくなり、練習の成果が上がらない。記憶力が阻害される。
本来、技術に集中するべき脳の機能が、外部からの雑念に取られてしまい、技術に対する集中力を失います。時間と授業料をかけて、新しい技術を習得するために時間と労力を使っているにもかかわらず、効果が少なくなります。
集中力の低下は、成果を低下させる。
最悪の場合、人命や選手生命を脅かす。
極度の低温下では、凍傷や低体温症を引き起こします。また反対に高温多湿で運動を続けた場合、熱中症で意識を失ったり、脳や内臓機能を破壊してしまいます。これは命や選手生命にかかわる大きな危険となります。
先ずは温度管理を十分に行いましょう。
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良い環境一覧
良い環境の例を以下に紹介します。
新鮮な空気が通う場所
練習は、新鮮な空気が通う場所で行いましょう。空気が通わず澱んだ場所、湿度が高くじめじめした環境やかびの臭いがする場所で練習するのはよくありません。早朝練習をすることは私は運動生理学の立場から推奨しませんが、空気中の埃が少ない早朝の練習は、新鮮な空気の中で練習できるというメリットはあります。
強い風が直接当たらない場所
新鮮な空気が流通することは重要ですが、強風が吹きつける場所はふさわしくありません。風の触感がストレスとなり、集中力の低下を招きます。
静かな場所
喧噪の中は練習には不適当です。理由は同じく集中力が低下するからです。静かな場所、時間帯で練習することが理想的です。もし静かな場所が見当たらない場合は音楽を聴きながら練習するのもいいとおもいます。
直射日光が当たらないところ
直射日光が当たるところは練習には良くないです。公園で練習するのであれば樹木の下など、太陽の光が直接当たらないところを探して練習しましょう。涼しい風が通り抜け、木漏れ日があるような場所が理想的です。
暑すぎず、寒すぎない場所
人間は温度と湿度に敏感です。暑すぎる場所、寒すぎない場所を選んで練習しましょう。室内であれば夏はクーラーをつけ、温度と湿度を下げます。冬は暖房を入れるなど、現代社会では普通に対応可能です。
臭い匂いがないところ
異臭についても人間の五感は敏感です。騒音はなんとか意識を消費して無視することができても、臭い匂いを意識の外に持っていくには相当なストレスがかかります。生臭い匂い、焦げた匂い、カビの臭い等不快な臭いがないところで練習しましょう。さわやかな自然な匂いがするところは練習場所としては最適です。
硬すぎない地面
硬い地面での練習は、足腰と膝に負荷をかけます。舗装されていない地面は雨が降るとぬかるんでしまうのが欠点ですが、できれば土の地面、天然芝練習する方が、膝への負担を軽減できます。クッションの効いた板張りの体育館も中国武術を練習するフィールドとしては適していると思います。
論外な練習環境
論外な練習環境、それは暑中稽古と寒中稽古です。中国人は伝統的にそのような時期、時間帯に練習をしません。できるだけ快適な場所、時刻に練習をするようにします。なぜならばそれが合理的だと理解しているからです。
真夏の午後の運動場で練習していた吹奏楽部の学生が集団で熱中症で倒れ、救急車で運ばれたニュースを見たことがあります。ちなみに台湾の陸軍では、外気温が35℃になれば、屋外での訓練はお休みです。
また、1月1日に、浜辺で下半身を海水に付けながらやってる人たち。本人と指導者は、自己満足という意味では充足感を感じているのかもしれませんが、技術の向上という意味で客観的に検証すると、全く意味がないことがわかると思います。
なぜか理由はわかりませんが、日本人は時々、ほんまのあほかな、とおもう様なことをする傾向があります。このブログをご覧になってる方はそんなことはしていないと信じています。
まとめ
中国武術の練習は苦行ではありません。練習の効果を高めるためには、良い環境、よい服装、良い身体と精神状態で行うのがベストです。寒い場所や暑すぎる時間をあえて選んで練習しても技術の向上には全く貢献しません。無駄に消耗しているだけという現実を、日本の方は受け入れなければならない時代に来ていると思います。
人生を充実したものにするための娯楽であり趣味です。自分で工夫して快適な環境で趣味を楽しんでいきましょう。