中国武術

こんな状況では練習するな ~練習すべきでない状況~

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中国武術を趣味として、生きがいとして練習されている皆さんは、どのようなコンディションで練習されていますか?

スポーツやエクササイズでも練習するべき体調やタイミングがあれば、練習をするべきではない状況というものがあります。中国武術も同じく、練習をするべきではない環境や状況というものがあります。

今回はこの、練習するべきではない環境や状況に焦点を当ててそれを紹介したいと思います。

練習すべきでない状況

中国の風景中国の風景

ここではまず練習するべきではない状況から解説します。練習するべきではない状況は以下の通りです。

体に痛みがある

練習すべきではない状況の筆頭に挙げられるのは、体に痛みがあるときです。関節を痛めてしまったとき、筋肉痛があるとき、炎症を起こしているとき、傷を負っているとき、寝違えたり、捻挫をしたり、神経根症やヘルニアで痛みがあるときには練習するべきではありません。

このような状態で練習をすれば、痛みがある部分の状況をより悪化させ、痛みがある部分をかばおうと他の部分にまで想定外の負荷をかけてしまいます。フォームが崩れて悪い影響が出るだけならまだいいほうで、最悪は選手生命を閉ざせてしまう最悪の事態になりかねません。

気合で技術が上達するかどうかは皆さんはすでにご存じの通りです。気合と根性は、古くてダサいの代名詞になっており、それには根拠があります。

体に痛みがあるときには練習せず痛みがなくなるまで安静にして過ごしましょう。

感染症の症状が出ている

風、インフルエンザ、コロナウイルス、結核、コレラ、赤痢、マラリア等の感染症の症状が出ているときは練習をするべきではありません。

その理由はまずは自分の体力が弱っているので体に不調をより大きくしてしまうこと、またグループで練習する際に感染症を他の人に感染させてしまう可能性があるからです。

調子が悪い時に、努力、忍耐、辛抱、根性、我慢でやっても投下した労力と苦労は報われないということです。

熱がある

体温が平常より高い状態、つまり熱がある状態では練習をするべきではありません。

風邪や感染症との戦うために体が抗い熱を出している、つまりそれは体調が悪いことを表しているからです。そのようなときには無理に体を動かさず体の抵抗力が外部からの侵入者に対抗しやすいよう、ゆっくり体を休めることが重要です。

アルコールを飲んでいる

アルコールを飲んだ状態での練習は禁忌です。平衡感覚が悪くなり、転倒しやすくなり、もし激しい練習を行えば、脳にも悪い影響が出るのではと思います。またアルコールには利尿作用があるため脱水症状になりやすくなり、熱中症の危険も高まります。

アルコールは筋肉の合成、疲労回復にも負の影響を与えるといわれていますので練習前、練習中のみならず、練習後もアルコールは控えることが望ましいです。

自分でアルコールを飲んだ状態で練習し、ドツボにはまるのは自業自得で個人の勝手ですが、それが中国武術全体の風評を落としたり、権威性を落とすとなれば言語道断です。

先輩が酒を飲みながら練習していたから、老師が酒を飲んでいたから、という理由でそれを後輩に強制しようとする輩も同じレベル。要注意です。

空腹時

空腹感は、体内の血糖値が下がった時に感じる感覚です。血糖値が下がっているということは体にエネルギーが亡くなっている状態を指します。この状態では体に活力がなく、また脳の活動も低下気味で覚えも悪くなり、力が出ません。

このような活力のない状態で練習しても、空腹感という雑念があり、また疲労感も強くなるため練習に身が入らず、練習の効用は低くなってしまいます。俗にいう「テンションが高い」「集中してやる気がある」とは逆の状態です。

「おなかすいた」という雑念は、武術の技術要求に対する集中をさらに困難にします。

練習する前にバナナやおやつでカロリーを補給するれば、簡単に空腹感のない状態を作り出すことができます。

アスリートは試合や出番の前に自身の血糖値が最大になるように、消化吸収時間を逆算して高カロリーの食品を摂取しています。このような方法で練習時に空腹感が出るという状況は簡単に回避することができます。

食事直後

食事直後は武術の練習に適しません。早食いが褒められる可笑しな文化を持つ国もありますが、中国人にとって食事は生活であり、娯楽でもあります。

ゆっくりと食事し、その後はゆっくりと体を休めます。消化には多くの血液が必要でカロリーを消耗する行為です。もし胃で消化を行うために血液を胃腸に送り出す必要があるタイミングで運動をすれば、消化不良を起こす確率が高まります。

皆さんも食後にいきなり激しい運動をして胃の調子が悪くなったり、気分が悪くなったりしたことはあると思います。体に良くないことは経験的に知っていますよね。そういうことを当たり前としてやらなければいいだけなんです。

食事はたっぷりと時間をかけて取った後、最低30分、できれば1時間程度体を休め、それから軽い運動から練習を始めるのが良いと思います。

満腹時

食事直後に練習は行うべきではありませんが、食事直後ではなくても満腹感を感じている間は練習するべきでありません。夕食後に練習する際にはおなかがこなれてきてからにしたほうがいいです。理由は食事直後と同じです。

空腹感が強い時

満腹感があるときも練習するべきではありませんが空腹感が強いときも練習するべきはありません。空腹感は体のエネルギーが足りない状況を表しています。

その状態では力は出ず、倦怠感があり、「おなかが減った」という雑念が武術の技術向上の雑念になります。空腹感が強いと感じたらお菓子を食べたりしてから練習に臨みましょう。

強い疲労時

疲労時は中国武術の練習には適しません。力が出ず、疲れが技術向上への集中力を阻害します。どうしても惰性になってしまい、正確で標準的な動作ができなくなり、好ましくありません。強い疲労を感じるときは練習せず休息をとりましょう。

朝起きてすぐ

太極拳は早朝に練習するイメージがありますが、早朝や起床後すぐの練習は好ましくありません。朝はまだ体が起きておらず、調子が出ていない状態です。深層体温が低く、活動的ではありません。

朝運動をして目を覚まさせるメリットというのがありますが、体が覚醒していないときに無理に負荷の高い運動をすれば体を痛める可能性を高めてしまいます。眠い時に無理に起床するということは、体に負荷をかけますし、休息を十分に取れないのみならずストレスを与えてしまいます。

就寝2時間以内

就寝の2時間以内の中国武術の練習は避けたいところです。理由は脳と体が覚醒し寝つきが悪くなるからです。

就寝前の適度なストレッチはリラックス効果があり、寝つきや睡眠を深くする効果がありますが、激しい動作、息切れするような練習を就寝前に行うことは上の理由で好ましくありません。

「深夜は陰の気が強いから」という概念的な説明により深夜の練習を避けるよう言う老師もいますが、これを解読すると交感神経と副交感神経、人間の生活リズムに起因することです。

悩み事があるとき

悩み事があるときは武術を練習するべきではありません。理由は気が散って技術練習に集中できないからです。

体調を崩すほどのの悩みごとがある場合、デスクに向かってじっくり構想を考える必要がある悩みがある場合には練習しても身が入らないのでやらないほうがいいです。

でも小さな悩み事なら練習の爽快感で吹き飛ばせる場合があります。

練習すべきではない環境

中国の風景中国の風景

ここまで練習するべきではない状況ついて説明しましたが、ついでに練習するべきではない環境についても解説します。練習するべきではない環境は以下の通りです。

寒風ふきすさむ屋外

冬場は日本でも中国北方でも温度がとても下がります。日本ではマイナス数度程度ですが中国北方では夜間はマイナス20度程度まで気温が低下し、河川も凍結します。そのような温度でなおかつ風が強い時には屋外で練習すれば体を痛めます。

ニット帽をかぶらなかったり手袋をしないと頭痛がしたり、耳や手がしもやけになったりします。ですから温度が低く風が強い時には屋外の練習はやめておきましょう。

寒い時にわざわざ寒い時間を選んで練習したり、体温がすさまじい勢いで奪われる体を水に浸して行う練習は論外です。あれはただのあほです。考えられません。

酷暑の日中の炎天下

酷暑の日に炎天下での練習はするべきではありません。日本人は真夏の炎天下での練習が好きですが、自分から熱中症で体調を崩すようにむかっていってるとしか思えません。

とても不思議なことをする民族ですが、中国武術に限ればそういうのはやめた方がいいと思います。中国人は温度が高くない時間を選び木陰で練習するのを好みます。そのほうが体に優しく練習ができるからです。

空気が汚れているとき

排気ガスや粉塵、煤煙、黄砂で空気が汚れている時は練習に適さない環境となりますので避けるようにしてください。黄砂の注意報が来ている時、砂の嵐が吹きすさむとき、石炭の煙で空気が白っぽい時等をさけて練習するのがいいと思います。

換気の良くない屋内

換気の良くない屋内は練習するべきではない環境の一つです。無風で汗が乾きにくいため熱中症になりやすく、舞った誇りがはけにく状況になります。窓を開けるなり扇風機をかけるなりして空気を循環させるように工夫をして練習してください。

酷暑の日中

日本人は暑い日中の炎天下にクラブ活動や運動をすることを好みます。理由は私にはよくわかりません。

中国人は日中も最も暑い時刻を避けて練習をします。また暑い季節は日影があれば日影で練習をします。そこは日本人と異なるところです。

私は中国人と同じようなスタイルが好きなので日影があればそこで練習するようにしています。酷暑の日中の練習は避けておいた方がいいと思います。理由は暑くてばてるからです。

練習すべきでない状況のまとめ

中国の風景中国の風景

今回は練習すべきではない状況についてブログに解説しました。

今回解説した内容は中国人にとって、そしてスポーツ科学の知識をもったアスリートやインストラクターにとって当たり前の状況です。今更解説する内容でもないかもしれませんが、今回私の頭の中を整理する意味でもあえてブログに書き起こしました。

中国武術は中国人の生活習慣の一部です。着替えたり、特定の場所、特定の時間を指定して練習するようなものでありません。自然に、無理なく、生活と一体化して、一生涯、人生とともに、環境とともに練っていくものです。

中国の伝統武術で言われる禁忌は、スポーツ科学と照らし合わせるとそこそこ合理性のあるようなものが多く、事象の数値的な実験とその結果と妥当性の検証が科学的、統計的に行われていなかった割には的を得ているものが多くあります。

中国武術を練習する皆さんにはこれらの中国人の知恵を参考に、運動障害を起こさず、精神にストレスをかけず、自然に、調和と和諧を重んじながら武術を愉しんでいただければと思います。

このブログが皆様の中国武術研鑽の参考になれば幸いです。

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