学校、会社などで、目標設定を書かされたり、ノルマを設定されたりしたことは一度はあると思います。自分からこうしようと思ったことも、目標の設定を事実上強要されたこともあると思います。
目標設定はモチベーションの維持に有効なこともありますが、デメリットもあります。本日はこれについて解説します。
(2025/01/19 03:14:02時点 Amazon調べ-詳細)
目標やノルマを設定することのデメリット
目標やノルマを設定することのデメリットは以下の通りです。
「目標やノルマ」それ自体が雑念である
目標設定やノルマはそれ自体が雑念であり、その瞬間に行うべき技術への集中を妨げる概念です。中国武術の技芸に限らず、芸術性を持った無形文化的なものすべては、その瞬間の精神の集中力が表現に現れます。
また、物体を創造する芸術では、その精神状態が作品となります。目標設定やノルマはその一瞬にとっては不要な概念です。
特に中国武術の場合、技撃性においても発力の表現には雑念の有無が強く影響します。発力の効果は、いわば肉体的な時間軸の集中とともに、精神状態における一瞬への集中をどれだけ高められるかによります。
(2025/01/19 03:17:06時点 Amazon調べ-詳細)
体の調子を無視したペース構築し、体調を崩す原因となる。
目標設定やノルマが、無理のないものであればよいですが、体調や精神状態を無視した物であれば、無意識のうちにそれは、精神面においてはストレス、プレッシャーとなり、肉体面にとっては、高すぎる負荷を体に与え、故障や不調の原因になります。
練習日を設定する、練習の回数を設定しそれをこなす、一日何時間練習する、等は意味がありません。
(2025/01/19 03:17:07時点 Amazon調べ-詳細)
目標やノルマを設定するメリット
目標設定やノルマを設けることのデメリットを上に述べましたが、メリットも多少はあるので客観公平に解説するには、これも言及しないわけにいきません。
目標設定やノルマを設けることのメリットは、モチベーションの維持です。また、そもそも心から興味がない人に対し、技術の向上を強制的に行わせることができるため、受動的にも技術を向上させることができます。
目標やノルマは、画一的な工業製品を製造する場合、偏差がなく規格化された戦闘員要請する場合には効果がありますが、受動的な目標設定、ノルマは、芸術的な創造性に対し貢献をすることはなく、芸術作品を生むことはありません。
まとめ
中国武術の本質は戦闘技術ですが、中国人はそれを藝術に昇華する努力と工夫を行ってきました。よって中国武術は現在、中華武藝という藝術の一つとしても認識されています。こしてこれは高尚な精神、哲学、思想、誇り、歴史的背景の重みを内包しています。
武術に優劣はないという考え方もありますが、実際には技芸の認知、段階、程度について優劣は存在します。ですが武術は目標、ノルマを定めてそれに到達することを目標とするのではなく、ただ己の心そのものが求める高みを追求するためのものです。
自分が勝手に定めた目標やノルマという線引きに追いつこうとして疲弊することは全く不毛であり、弊害しかありません。
目標設定、ノルマなど雑念を打ち払い、ただ技芸を嗜むことに趣を感じ、それを楽しんでいきましょう。それが中国武術が強調する「自然的態度」という概念につながっていきます。