本日は2024年月2月25日(日)です。本日は愛知県豊川市御津の御津生涯学習センターにて八卦掌の練習を行いました。
2024年2月25日の練習内容
本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。
首のストレッチ
練習の一発目はまず首周りのストレッチです。腕は胴体から出ていますが肩から腕と肩から胴体が別々になっているのではなく、腕は首や頭の付け根の筋肉とつながっています。
首が強張っていれば伸びやかな動きを阻害しますのでまずは首を回したり、曲げたりしながらストレッチを行いました。
自助推拿
首をある程度ほぐしてからは、自身で上半身をほぐしたりしました。
推拿とは中国語で、マッサージなどを包括した概念ですが自身で首回り、肩、背中を伸ばしたり叩いたりして、力の通り道を広げるイメージで行います。
上半身のストレッチ
首や上半身のストレッチを終えた後、肩の可動域を広げるために肩回りのストレッチを行いました。器械体操でおこなう「肩入れ」といわれる柔軟体操のようなものです。腰程度の高さの机に手をおいて、肩を下に押します。
甩手
上半身にさらに鬆沉の感覚を加えるために甩手を練習しました。上の動画は腕を前後にプラプラ振る動作です。腕の重みを感じながら揺らす感じで行い、慣れてきたら、すこしだけ膝のクッションを入れて漕ぎます。
やっているうちに腕のしなりが感じられるようになり、遠心力などで手が重く感じるようになります。血液が手に集まってくる感じです。掌も紅くなり、熱を持つようになります。
こちらはもう一つの甩手のパターンです。腕を体の周りで左右に振ります。顔面は前方に固定したバージョンと体全体をねじるバージョンとがあります。適宜両方やっていただいて問題ありません。
この動作をしばらくやっていると腕に液体由来の重みを感じるようになり、腕が長くなったような気がしてきます。遠心力や筋肉の緩み、腕自体の重みでだんだんとしなるような感覚が出てきます。
腕回し
今回は「胯」の動きに注目した練習を行いました。叉肩法は五行通背拳の基本功ですが、これは胯を水平方向に左右に切ることによって生まれる力を腕に伝えて腕を回す動作です。
黒板に図を示して説明しましたが、骨盤を鋭く回転させることにより生まれる力で腕を回すということです。骨盤を鋭く回転させれば、そこには大きな慣性が発生します。それを前進を使って吸収しなければ体は全体的な整合性を保つことができなくなります。
この動作をうまく行うには骨盤を鋭く切って発生する慣性に負けない下半身の強靭さが必要です。ですから叉肩法を行うコツは下肢の筋力です。片足でスクワットできるだけの筋力が必要です。
叉肩法を反対の回転で行うものです。要領は同じです。骨盤を鋭く回転させる力を腕に伝えて回します。背中から耳をかすめて通る腕を振り落とします。腕は体の真後ろを通過するようにします。
地支八卦
放鬆功の系列の練習をした後は地支八卦の開、捧、扽、探を練習しました。今回は地支八卦の動作の中で「胯」を意識することを念頭に練習を行いました。
開
開は、まず体を少し後ろに撤し、その後、後手を挿しながら上歩し、両手を開してから両掌を縦にして前方を打つ動作です。
この動作では、初めに撤するときに胯の動きは始まっています。股関節を開く動作を取りながら撤し、手を挿しながら股関節を合し、その後開の時に前足の骨盤部分を後ろまで引き、その後、大きく前進しながら胯を切りつつ前進します。
これまでは手法と歩法を中心に解説し胯を含めた身法の解説を後回しにしてきましたが、これによって練習内容がこれまでより一段深い部分に踏み込んだことになります。
前進しながら両掌を前に出す、という点ではこれまで何も変わりません。ただしその過程に於いては大きく異なる概念が加えられることになります。
捧
棒は斜め45度の方向に大きく足を前進し、その後、外領という手形を取り、両手を掌にして前進する動作です。
この動作では、一つ目の動作である穿の動作と2つ目の外領に胯の動作が関連します。一の穿は打つ側の骨盤が前になるように胯を回します。その後、それを解くかのように骨盤を反対に回し力を蓄え、前進する際に蓄した力を解放するように動きます。
手法と歩法以外に身法がくわわることにより、棒の意義はさらに高まります。
扽
扽は斜め45度に足を踏み出しつつ上方に穿掌を出し、その後両手を拳して、前足の膝の外側まで握り落し、その後、両縦掌を前に突き出しつつ前進する動作です。
上方に穿掌する際には胯を回し、その後、両拳を下に落とす際には胯を回転させます。人間が出せる力の大きさは筋肉の断面積と関係があると言われています。手の筋肉の断面は細く、胯周りの筋肉のほうが太い。これを活用すれば身法で大きな力が出せます。
探
探は、後手を逆手の状態で穿で突き出し、その後さらに一歩前進しながらさらに穿を出し、最後に順掌を出すという動作です。1,2,3ともに胯は大きく動きます。
手法に目が行きがちな動作ですが「何か違うな」と思ったら、その場合は目に映りがちな部分以外の何かが違うということです。
距離とタイミングを計る練習
練習の最後に、距離とタイミングを計る練習を行いました。これは相対して動きながら自分の打が当たるか、人の打が当たるのかを確かめ、そのタイミングを計る練習です。
私が考案した練習ではなく、特に独特なものでありません。
本日の練習のまとめ
本日は愛知県豊川市の御津生涯学習センターでの練習となりました。前回は打法の練習を中心に行いましたが、今回は胯の運用についての解説を中心にカリキュラムを組みました。
次回はまたリクエストがあればそれに応じていろいろなものを紹介していきたいと思います。