本日は2022年月3月12日(土)です。3月も半ばに差し掛かりました。本日は最高気温が20度になる暖かいお天気でした。本日は夕方18時から名古屋市熱田区の神宮東公園で練習を行いました。
2022年3月12日の練習内容
本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。
放鬆功
本日の練習は上半身、特に首や肩の放鬆功に重点を置いて練習を行いました。まずは背中、肩甲骨回り、首回りを適度にストレッチするため、木にもたれて肩の可動域を広げるようにしました。この動作を行えば、手の小指側と親指側をそれぞれ木や壁に当てて、背中や首回り、肋骨まわりやウェストまでをストレッチすることができます。
中国武術に限らずストレッチの効果を高めるには、マインドと呼吸、体を弛緩させる、あるいはリラックスさせることが必要です。つまり、意と気と体の結合です。
- 意 体に緩んでくれとお願いをします。落ち着いて、リラックスした気分になれば体はそれに従ってくれます。
- 気 気という概念は日本人にはあまりなじみはないかもしれませんが、発声のことでもなんでもなく、気は気の概念です。呼吸と関連性があります。気の概念を活用して副交感神経という言い方がいいのかどうかは別にして、それを活用すれば体は緩む方向に向かいます。
- 体 実際に弛緩して緩む部分です。筋肉をぎゅーっと強引に引っ張って伸長させようとすると、肉離れや運動障害になります。筋肉や腱には弛緩してもらうよにしましょう。
甩手
一通り首回り、肩回りをほぐしたり、伸ばした後は、甩手を行いました。
まずは少しづつ腕を振り、徐々に下半身の力で腕を振るようにしていきます。
前後の甩手のあとは、体の周りで腕を振る甩手を行いました。こちらも最初は体の周りを優しく振り、徐々にペースが出てきたら、足でこぎながら腕の振りを大きくします。靴の中で足の指で地面をしっかり咬むようにしないと、腕の慣性で体の軸がぶれます。これを練習することで、足の裏の練功になっていることも、本日の新発見です。
叉肩法 後輪、前輪
本日もいつものカリキュラムで、叉肩法を行いました。まずは後ろ回しから行います。お尻をどっしりと落とし、後ろ足にほとんどの体重をかけながら、腕を回します。ほぼ片足立ちと同じような重心配置を維持しながら、骨盤を水平に鋭く回す動作をし、その反作用?を使って肩から先を動かしていきます。
後ろ向きの叉肩法が終わったら次は前回りの叉肩法を行います。どちらかというとこちらのほうが難易度が高い動作となります。ちょうど肩の後ろで腕が上がっていくときに、停滞しないようにスムーズにあげることを心がけてみましょう。
雙手繞環
雙手繞環は両手を横方向に回す動作です。両腕が胴体を同じ面を回るようにします。できるだけ薄い面をつくって腕を回すことが重要です。
下の動作は雙手繞環の同方向版です。叉肩法を両方同時に行うようなイメージです。背骨や胴体を波打たせてそれで腕を回すイメージを持つとうまくいくと思います。体の中に波というかうねりを作るイメージです。
悠盪捶は拳を鉄球の様にほりなげるような動作です。まずは腕を耳の後ろから真下に落とし、落とし切った時の筋肉の反発を利用して自然に引き上げ、喉元から放物線を描いて前方にほりなげるように打ち出します。
耳から人差し指に連なる経絡を開くようにすれば動作がうまく流れるようになります。この動作自体は放鬆功ですが技撃にも変化できます。
三才について
本日は練習の合間に三才について解説しました。三才とは天、地、人という3つの概念の総称です。つまりこれは天の時、地の利、人の和を指しますが、中国人はほかにも中国武術の拳理に於いて、三つの要素があれば三才を借用します。
今日は三才を解説するとともに、三合についても解説しました。本日解説した三合は、意と気と体という3つの要素をまとめた概念です。「私が習った三合と概念が違う」という方もいらっしゃる方もいるかもしれませんが、概念は違って当然です。今日解説した三合は私がとっさに閃いた三合の概念だからです。
三才については以下のブログで解説しています。興味のある方は参照ください。
本日の練習のまとめ
本日の練習は上半身の放鬆を中心にしたものに致しました。中国武術は「武」という文字が入っている通り、技撃が技術の核心をなしているわけですが、それ以外にもさまざま活用法があり、それらが一つにパッケージングされていることが特徴です。
もちろん一つ一つを取り出せば、格闘術としても、医術としても専門の技術にかなうものではありませんが、比較的高い次元でまとめられた内容であると感じるものです。それらの活用法も併せて、中国武術を全体から俯瞰してその奥ゆかしさを楽しんでいただけるのであれば、これ幸いだと思います。
神宮東公園では紅梅も本格的に咲き始めました。お天気も良かったのでたくさんの方が写真を撮りにきたり、お散歩に出たりしていました。