皆さんは、日々どのような練習をしておりますでしょうか。同じカリキュラムをやってはいないでしょうか。私は、毎回いろいろな練習をやり、同じカリキュラムを連続して行わないようにしています。
本日はこれについて解説します。
いろいろなカリキュラムを行うメリット
いろいろなカリキュラムを行うメリットについて以下に説明します。
気分転換になる
いろいろな練習を行う事は気分転換になります。中国武術の練習は楽しむため、余暇活動として行うべきであり苦しい練習は不毛です。時々の体調に応じて心と体が求めている練習をし、やりたくないという練習はやめておきましょう。脳と体は、技術向上に必要な練習は何かを理解しており、心と体が求めるものを練習すれば、技術は自然に向上します。
オーバートレーニングを防げる
毎回異なった練習を行う事により、局部への負荷の集中を避けることができます。それによりオーバートレーニングによる体の故障を防ぐことができます。オーバートレーニングを行うと、筋肉や腱に炎症が発生し、発熱、腫れ、違和感、痛みが出ます。これによりパフォーマンスは大きく下がり、炎症部位を守るため、体に無理な力が働き、他の部位にまで故障を及ぼす可能性があります。
またオーバートレーニングによる故障から回復するには相当な時間がかかり、その間は練習量、運動強度を落とさざるを得なくなります。そのため、オーバートレーニングを避けることはアスリートのパフォーマンス維持という観点から全体最適となります。
新しい発見がある
カリキュラムを固定化させないことにより、いろいろな動作を練習することになります。
様々練習カリキュラムが相互に影響しあい、その中で新しい発見が生まれる場合があります。相互に正の影響を与え合い、その中で新しいアイデアが生まれ育ちます。
長期記憶を形成しやすい
人間の記憶は大まかには、短期記憶と長期記憶に分類されます。一夜漬けで覚えた知識、一日のセミナーで習得した知識は忘れるのも早いですが、長期的な反復で覚えた記憶は長期間記録として保存されます。
様々なカリキュラムを循環して行う事により練習内容が定期的に復習され掘り起こされることにより、長期記憶が形成されやすくなります。一度長期記憶として記録されたデータは、長期に渡り脳から肉体に保存され、長時間保存され、保管されている引き出しから短期間で探り出すことができるようになります。
飽きるのを防ぐ
最大のメリットがこれです。最重要なポイントです。人間は同じことをやっているとだんだん飽きてきます。飽きるとモチベーションが著しく低下し、パフォーマンスも大きく低下、練習の効用が大きく下がります。
デメリット
カリキュラムを固定化しないデメリットにも言及しておきます。
技術の向上が遅れる
画一的な練習体系を続ける場合と比較して、その技術についての集中的な訓練がなされないため特定の技術の向上が遅れます。
まとめ
中国武術の練習には、固定化されたカリキュラム、教材を利用して毎回同じような練習を行う場合、いろいろな練習体系を組み合わせてローテーションさせる場合、ローテーションなどを考えないで気分と体調に合わせて好きなものを選択する場合等いろいろあります。
私は、固定化されたカリキュラムを行わず、気分と体調に合わせて好きなものを好きなだけやり、もういいかな、と思ったところでやめる、という方法を能動的に選択し練習します。現時点では、これが長期的にもっとも効用が高いと考えるからです。
いろいろなカリキュラムを組み合わせ、相乗効果が出ることにより、バランスよく偏りのない良い作品が出来上がっていきます。盆栽が長い時間をかけて形作られていくのを見守るように、作品の成長を楽しんでまいりましょう。
カリキュラムを固定化せず、いろいろなものを練習し、相乗効果を上げることにより、ライバルに差をつけよー。