5月6日 新型コロナウイルスで行楽に出かけられないGWとなりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。本日は、中国武術を習うに当たり、良い老師かどうかを見極めるポイントについて、私の知見をもとにまとめてみました。

良師の判断基準

中国武術における良師の判断基準を以下に説明します。
本名を名乗っていること(ニックネームの併用はOK)
本名を名乗っている老師と、本名を名乗らない老師がいた場合、一般的に本名を名乗っている老師のほうが信頼がおけます。
本名をあまり表に出していない場合、本名を故意に隠し、別名を名乗っている場合、いろいろありますが、本名を隠している場合には、本名を名乗りたくないやましい過去がある可能性があるからです。
個人のプライバシーを考慮し、本名を積極的に表に出していないだけの方もいらっしゃいますが、本名を名乗っているほうが安心できると思います。

老師が直接師事した師を明かし、学習経歴が明確であること
老師が直接師事した師の名前を明かし、その学習の経歴が明確であるほど信頼性が高いと思います。謎の老師、謎の技術、経路不明の套路というのは、胡散臭いものです。老師が学んだ期間についても具体的に客観的にわかる人のほうが、良いと思います。
基本的に、老師がその老師に師事した期間が長いほど、信頼性は高いといえます。これで、ちょっとよその講習会でならってきた技をかき集め、2番煎じを教えているインチキ老師を排除できます。

系譜が明確であること
老師が師事した門派の系譜が明確であることも重要な要素だと思います。老師の師の名前はわかってもその上の系譜がはっきりしないというのであれば、他の選択肢がある場合避けたほうが無難です。
老師本人の技術が優れていること
老師本人の技術が優れていることは当然重要です。口先だけで解説し、本人が模範動作を見せることができないのであれば本末転倒です。もちろん、老齢により、理想的な動作ができなくなっている方もおられます。
師兄の動きに魅力があること
老師の動きだけではなく、先輩の動きにも注意を傾けてみましょう。先輩方の動きが上手であり、魅力的であれば老師の教え方が上手いという一つの指標になります。これで自分は上手だが教えるのが下手な老師を排除します。

説明がわかりやすいこと
老師の解説が理解しやすいほうが吸収が早くなります。武術家の中には、技術に優れ、それを体で表すことができてもうまく解説を行えない名人は存在します。名人と名師の違いは教えるのが上手かどうかによります。
適切なタイミングで助言をしてくれること
老師が学生の技術的状態を把握し、適切なタイミングで適切な強度のアドバイスができるかが、老師の腕の見せ所です。的をえた助言を与えてくれる師のアドバイスには価値があります。
習って楽しいなと感じること
感覚の問題ですが、習っていて、「面白いな」「楽しいな」と感じることは、自分が意義のある時間の使い方をしているという最高の証明になります。ただ苦しいだけの練習では続かないですし、嫌になります。
老師の人間性に好感がもてること
老師の人間性に険を感じる場合、そこでは習わない方が良いと思います。自分が負のオーラを受け、人生の価値を毀損する可能性が高まります。
業界に顔が効き、評判が良いこと
武術業界の中で交友関係が広く、他者からの評判が良い老師であれば、老師選定失敗の確率が減ります。習うのであればいろいろな所から評判を調べてみましょう。

ネットで悪口が書かれていないこと
インターネットでこきおろされている老師は、それ相応の原因があるものです。ネットの評判をすべてうのみにする必要はありませんが、ネットでの評価を客観的に比較してみることも良師を判断する一つの指標にはなります。
多種多様な価値観を許容している人物であること
老師が多種多様な価値観を許容する広い視野と懐の深さを持っているかどうかも人間性を見極めるポイントです。
自己の流派以外、通俗な事情にも造詣が深いこと
自分の流派以外の様々なことを研究し、武術、社会、文化について幅広い知識、見識、見聞がある老師のほうが、品行方正で、人間的にバランスの取れた方が多く、技撃以外に人格を形成するという部分に於いて、得るものが多いと思います。
他派に対するエグい批判をしない老師であること
あんまりよそ様のものの批判や僻みばかり言う老師はよろしくないと思います。そういう人は、離れていった人のことをやいやい言う傾向が強いことがあります。
ユーモアがある事
老師にユーモアがある方が、習っていて楽しく感じると思うからです。
社会通念上における経済的常識がある事
つまり、お金に対して、社会通念上の一般的な概念があることです。ガメツイなとおもう老師は避けたほうが良いと思います。
中国文化や言語、歴史全般の知識がある事
中国武術は中国文化の一部ですので、中国文化に対する理解がどれだけあるかが、老師の品質に関わります。私の経験からいうと、中国武術はよく理解しても中国文化に対する知識は全くないというのは有り得ないです。
まとめ

本日は、良い老師を見極める判断基準について、独断と偏見で解説をさせていただきました。
いろいろと順不同で思いついたことを書かせて頂いていますが、でもこれらを参考にして頂ければ、老師選定の失敗を回避する確率は高まると思います。参考にするところは参考にしていただ蹴ればと思います。
皆様が良師と巡り合うことを心から願っております。
