本日は2023年月1月19日(日)です。本日は名古屋市熱田区の神宮東公園で八卦掌の練習を行いました。
2023年2月19日の練習内容
本日の練習内容を紹介します。本日の練習内容は以下の通りです。
放鬆功
まず練習の初めは上半身を適度にリラックスさせるため甩手を行いました。このバージョンでは体の周りを水平方向に腕を回しています。途中から少し軌道を変えて、足で上下方向にも漕ぐ力を加えています。
時間をかけて何度もやっているとだんだんと力みがとれて腕が重く、長く感じられるようになってきます。
基礎十二式
本日も基礎十二式自体をウォーミングアップとしつつ、重要な功法として練習しています。本日のテーマは「跨」です。
甩手式
基礎十二式の第一式は甩手です。本日は甩される手はどうでもいいとして、手を甩させる足と跨の概念について解説し練習しました。
棒立ちのような姿勢では跨の意識への理解を深めることはなかなか難しいので、まずは馬歩を深めにし、そこから跨をよく折り、そして跨を固めずに動かす訓練を行いました。
跨は鼠径部、つまり股関節の大腿骨のグリグリと骨盤の接合部という表現で大体あっていますが完全に合一というわけではありません。大腿骨の付け根とともに、骨盤全体を包括した概念です。これを固めずに柔らかく使う。これを「鬆跨」といいます。
中華文明の環境が不足している方にわかりやすく解説するために、解剖学的に鼠径部という言葉を便宜的に当てはめて指導を行う方もいますが、一応鼠径部と跨という概念は全く同一ではないということだけは申し上げておきます。
一か所から2本出ている腿の付け根を球状に考え、動かすことができるようになればまずまずです。甩手は手の動きを便宜的に借用して跨を練っています。
揉球式
揉球式は体の前に大きな球体を作るイメージで両手を動かします。動作の元は腿と脚と跨です。腰も少し動きます。お尻の力を抜くこと、跨を大きく動かすことなどをイメージすると良いと思います。
七星起式
両足を肩幅の広さに広げずに前後に一直線に引いた仮想の線上に足を置きます。前後の足の感覚は1m程度置けば上等です。
そのあと跨を回し、捻じりながらその力を活用して腕に伝って、両手を操作します。両手は跨によって操作されます。重心が前にあるときの右側の跨は左より前、重心が後ろにあるときには右側の跨、つまり骨盤の右端の骨はかなり後ろまで来ます。
跨の高さを一定に保ったまま動作を行ってください。歩幅は最低1m程度の間隔をあけていただくと良いと思います。
掩手式
両前腕を使って挟み込むような動作を行います。下半身はあたかも弓歩を交互に繰り返すように見えます。弓歩となる瞬間はありますがあくまでも過渡式であり、静止する一コマを便宜利的にとらえた表現でしかありません。
弓式と弓式を交互に入れ替えていく過程における跨の動きを練る練習になります。
穿掌式
上方に向かって穿掌を打ち上げる練習です。動作の名称は穿掌ですが、重要なのは足の動きです。低めの馬式をつくってその状態で跨を動かしてください。低めの馬式を作る場合には、肩幅の2倍程度の広さを基準とするとやりやすいと思います。
探掌式
二回の穿掌を行った後、縦掌を打ちます。跨を前に出したり、回したりしながら形を作ります。この動作も跨が重要な要素になります。歩幅は大体1m程度広げて立っていただき、頭の高さを一定に保った状態で、打つようにしてください。
擺扣穿掌
これは字のごとく擺歩と扣歩を行いながら穿掌います。まずは擺歩ですが、まずは足の方向が180度異なる向きになるように立ちます。
それから体を回転させ、足がハの字になるように足し、その後再度足を前に向けるタイプの擺歩をしながら穿掌を行うというスタイルです。
つま先の方向が擺歩と扣歩の違いになるわけですが、つま先の角度だけに着目しても意味がありません。つま先の角度を調整するのは跨です。骨盤の中にある筋肉郡が足を引き上げさせ、大腿部の角度を作りそれがつま先の角度を決定するという流れです。
ですから八卦掌の練習は体の深部にある筋肉群を覚醒させるいいきっかけになります。
地支八卦
本日は地支八卦の中から以下を練習しました。
砍
砍は「叩き切る」という意味合いの感じです。この動作では手刀を使って攻撃を行うところが砍に当たります。
まずは、左手の裏側に右手を入れて手を握りつつ、右足を後ろ側から前に進め、続けて弓歩になりつつ砍で手刀を打ちます。そのあと砍を打った手を引いて虚歩になりつつ肘を墜してから、二発続けて穿を打つ動作です。
本日の練習のまとめ
本日は9時から練習を行いました。途中から雨足が強まったため歩道橋の下のスペースを使い練習しました。
本日はリクエストもあり跨の概念と具体的な活用法をテーマとし練習を行いました。手の動作が招式の名称になっている場面が多くあるため跨の重要性がなかなか認識されず、手打ちになってしまう、そのような方は中にはいます。
跨を自由に、霊活に使う、これは中国武術全体として非常に重要な概念です。跨の開発、つまりは跨を動かさせる脳の開発を進めてまいりましょう。