中国武術

伝統を尊重し、伝統の向こう側へ「キャンバスからはみ出せ」

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私は伝統武術を日々の楽しみとして嗜んでいます。伝統の奥ゆかしさを楽しむ、と言えば、なかなか良いイメージの習い事の印象があります。ですが、私は、伝統武術を愛し嗜むが故に伝統に凝り固まってしまい、その可能性を縛り付けていると感じる時があります。今日はそれについてお話をします。

花垣武学研究会
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現代に連なる伝統武術の黎明

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螳螂拳、八卦掌、形意拳等は、100年前に体系が整理されました。(考案されたのはもっと昔です)100年前の先人は、当時収集しうる技術を結集し、実際に技を試し、有効な技術を集め、整理し、そこに理論をつけ足して、独自の拳風を創造しました。

今我々がやってるように100年前の拳譜を見て、それをなぞっていたのではなく、彼らは当時の最先端の技術を切磋琢磨し、その拳譜を考案した違いありません。

考案する人と人が考案した物を扱う人のレベルの違い

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考案する人と、人が考案した物を扱うだけの人は、次元が異なります。例えば以下のような例を挙げます。

  1. 200年前に作曲をしたモーツァルトやショパン。その楽譜を見ながらそれを演奏する現代の演奏家
  2. ドラゴンクエストを考えた堀井雄二。そしてドラクエで遊ぶ私たち世代
  3. 茶の湯を大成した千利休 そしてその作法をなぞって弄ぶ現代の茶道00年前に作曲をしたモーツァルトやショパン。その楽譜を見ながらそれを演奏する現代の演奏家

例を出すときりがないですが、これらは、発案した先駆者としての天才と後世の凡才の典型的対比です。彼らは、人が造った物を同じように取り扱うのではなく、今までになかったもの、作品を生み出してた人たちです。

人が考えたものを利用する者ではなく、後世に残るものを考案する先駆者であれ

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生活と情報環境がより便利な今日に生きる我々が、過去の伝統を継承するという銘をうちながら、新しい模索を行わず、切磋琢磨を怠ることは、先師たちへの不敬に当たると思います。

螳螂拳法日日新

ゲルニカゲルニカ

八歩螳螂拳の歌訣にはこのようなくだりがあります。

螳螂拳法日日新(螳螂拳は日々新しい)

つまり日々新しいものを取り入れ工夫することが重要ということです。これはある意味、伝統に縛られた人間への戒めが込められています。

伝統の重みを知りながら、伝統に押しつぶされず、伝統の向こう側へ行きましょう。

これは言わば、「本当に排除しなければならない地球の重力に魂を引かれた人間たち」の代表格であり、伝統の枠にとらわれ、はみ出せず沈んでいく私自身への戒めの言葉です。

伝統武術という名の四角い枠をはみ出して、自分の絵を描いていきましょう。

今日の格言「キャンバスからはみ出せ」(ジミー大西)

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