中国武術

中国武術の蹴り技 ~伝統武術の脚技とは~

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中国武術にはさまざまな蹴り技があるのを皆さんもご存知だと思います。地面すれすれを蹴る技から跳躍技法まで、伝統武術でも相当多くの技法が伝承されています。

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中国武術の他にも、足を多彩に操る武術や格闘技もありますが、中国武術の蹴り技の特徴とはどの様なものでしょうか。本日は中国武術の蹴り技についてスポットを当てて解説します。

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中国武術の蹴りの特徴

靴を履いた女性靴を履いた女性

中国武術の蹴りの特徴は以下の通りです。

靴を履いた状態が前提

中国人は靴を履いて椅子に座る生活をします。中原の人々はもともとは椅子に腰を掛けるのではなく日本人のように正座が正式な座り方だったのですが、いつの日か西方から導入された椅子を用いるようになりました。

中国武術の歩法、蹴りはすべて靴を履いた状態を想定しています。よってつま先で蹴りこんだり、靴の足刀部で蹴る動作がたくさんあります。靴の内側で脛の肉を削るようにする、等靴を最大限に活用します。裸足では、足の骨が骨折しないように、足の甲での蹴りや足の指先を使った蹴りを多用する発想に至りません。裸足の場合は脛を使った蹴りが有効でしょう。

また裸足の皮膚には到底耐えられないような急ブレーキや急な負荷を掛ける動作がたくさんあります。中国武術の蹴りは中国人が布靴を履いた行動様式の中で発達させた技術です。これは中国武術の蹴り技の最も大きな特徴かもしれません。

投げと蹴り技のシームレスな結合

中国武術の足技には、蹴り技と投げとの明確な境界線は存在しません。蹴り即ち投げ技、投げ技はそれ即ち蹴り技になり、同一の訓練で考え方、見方を変えるだけで変化させることができます。蹴りと見せかけて投げ、投げと見せかけて蹴る等朝飯前です。

ステップワークと蹴り技の融合

中国武術では歩法と蹴り技を明確に区分するという概念がありません。つまり、歩法は蹴り技、蹴り技は即ち歩法ということです。例えば、歩いて前進するとき、これは「歩く、前進する」という動作でありながら「つま先が前に出ていく」と言う動作でもあります。つまり歩法と蹴り技は一体と言う概念です。

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黄砂の活用

中国北派武術の技術が形成された土壌は黄土の平原にあります。何千年にも降り積もった黄砂、または黄河により流されて溜った黄土の土壌の上に成立したものです。黄土はきめが細かくきな粉のような土壌で、これを目くらましに使ったりします。蹴り技に合わせて、黄砂を相手に振りまく動作が蹴り技に隠されています。

初級では特にみっちり練習させられる

中国武術の基礎訓練では、下半身の鍛錬をみっちり行ないます。立ち方の他に、基本の蹴り方(踢法)をやりこみます。下半身の柔軟性に自信がないので、蹴りが少なそうな門派の教室に行ってみると、基本で練習する内容は立ち方と膨大な数の蹴りの反復であったりします。

中国武術は「拳を練ることそれ即ち脚を練ること」という考え方があるとおり下半身を練ることを非常に重要なものだと認識しています。

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中国武術の蹴り技の注意点

靴を履いた男性靴を履いた男性

中国武術の蹴り技の注意点についても提起しておきます。

靴を履いていないと使えない

中国武術の蹴り技は靴を履いていないと殆ど使えません。靴を履かないで中国武術の蹴りを出し、相手に当たった場合、蹴りを出した足の指や足の甲の骨が骨折します。これはつま先や足の内側、外側を使う技術に特化してるためです。裸足で中国武術を練った際には、足の裏の皮も剥離すると思います。それだけ高い負荷を足にかけた運動だということです。

下半身に負荷が集中し、つらくて嫌になる

中国武術の基礎訓練は、下半身をみっちり訓練します。低い姿勢の維持、何種類もある蹴り技を反復練習するため下半身に大きな負荷がかかります。慣れない頃は相当きつく、嫌になります。始めは筋肉痛にもなりますので標準的な姿勢や動作を中高年から始めるハードルは高いと言えます。

相応の柔軟性が必要

中国武術の蹴り技は、実際には高い蹴りを出す頻度は少ないですが、実用的な蹴りをスムーズかつ楽に出せるようにするために、負荷を高めた高い蹴りの基本功を行います。その基本功を収めるためには相応の柔軟性が必要です。もともと体質的に体がかたい方は初めのうちは相当苦労します。

まとめ

蹴りをする女性蹴りをする女性

本日は中国武術の蹴り技の特徴や注意点について解説を行いました。中国武術は拳を練ることを腿(足)を練るほどに重視します。歩法、腿法すべてが下半身の動きで成立します。動作の発振は下半身や股関節を意識したものが多く、最初は相当苦労しますが慣れれば楽に動作を行えるようになります。

蹴り技の多い武道や格闘技もある中で中国武術の技法について解説しました。本日のブログが中国武術を練習される方の参考になれば幸いです。

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