本日は、愛知県豊川市の御津生涯学習会館の会議室で練習を行いました。ホワイトボードを準備して頂いていたので、技術内容、理論の説明を文字や図で解説しながら練習を行いました。
本日の練習内容
本日の練習内容は以下の通りです。
拉筋、暖身、放鬆功
本日の練習もまずは体を緩める運動からスタートしました。まずはリラックスと覚醒を促すために自分で頭部の穴位(いわゆるツボ)マッサージを行い、その後上半身の上から穴位を押していきます。
穴位というのは一か所の部位ですが、これを連続してつなげていけば、体のエネルギーの通り道のようなところを連続してマッサージでき、筋肉のリラックス効果、体の追随性の向上が図れます。
今日は試しに片腕だけの穴位を押し、緩めてもらったところ、緩めたほうの手が2cmくらいだらんと長くなり自分でも驚きました。おそらく強張った筋肉と腱が緩み無意識の収縮が緩和された結果だと思います。
基礎十二式
本日は、前回練習した甩手式、柔球式、七星起式、掩手式、穿掌式の練習を行いました。放鬆功では上半身の不要な力みを解くことを念頭に行ましたが、基礎十二式では、主に下半身のこだわりをとったり、必要な筋力を練ったりする目的で練習しました。大きな目的は以下の2つです。
- 鬆跨=股関節、鼠蹊部を緩めること(可動域が広がるという概念を含む)
- 落跨=股関節、鼠蹊部の緊張を解き骨盤が緩んで自然に落ちること
中国武術を練習することを中国人は「練拳」と言うことがあります。ですが練拳を行う際には、実際には拳を練るよりも腿(下半身)を練ることが実際の意味合いとなります。これを中国語で表現すれば
- 練拳就是練腿(拳を練ることはこれ即ち腿部を練ることで有る)
となります。本日は、股関節、骨盤の動きを重点的に意識しながら練習を行いました。どのような動作かを紹介するために、いつもと同様にyoutubeのリンクを貼り付けます。
甩手式
柔球式
七星起式
掩手式
穿掌式
淌泥歩
基礎十二式の練習を行った後、淌泥歩を練習しました。本日は室内練習となり、放鬆功の比重を高めるカリキュラムを行ったため、淌泥歩は復習程度としました。
基本の淌泥歩
淌泥歩+雙撞掌
淌泥歩+雙抱掌
質疑応答及び術理の解説
本日は、ホワイトボードを利用し、八卦掌及び中国北派武術の術理について解説を行いました。内容は多岐に及びましたが、代表的なものを以下に説明します。
- 落跨、上虛下実の概念=放鬆すれば重心がさがり、どっしりと安定感が増す。骨盤周辺が緩めば顕著にそれができあがる。尾骶骨あたりの考え方にも関連がある。
- 切跨=技撃性、發勁をするに当たり重要なことで「跨を切ること」つまり、切れよく骨盤を操作すること。
- 動作の連貫性(連環性)=「発の中に蓄を含め、畜の中に発を有す」。これを行えば、攻撃と防御の断絶が起こらず、準備→打撃→停止→再準備→打撃→停止、という順序を追わずに、發勁(蓄勁)→發勁(蓄勁)→發勁(蓄勁)という具合に余った慣性を利用して、連続動作ができる。
- 剛而不僵(剛なれど固まらず)
- 柔而不軟(柔なれど軟ならず)
- 活而不浮(霊活なれど浮き上がらず)
- 定而不死(安定すれど居つかない)
その他さまざまな概念の解説を行いました。本日のブログに於いて説明させて頂く内容なここまでです。もし興味のある方は、花垣武学研究会のセミナーにご参加ください。
- 現在愛知県内で活動中
- 服装自由
- お喋り自由
- 時間は相談可
- 他教室との掛け持ちOK
- 不定期参加OK
- 英語と中国語及び日本語に対応
- 質疑応答自由
- 体力とレベルに合わせて個別に対応
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まとめ
本日もみっちり2時間練習を行いました。お喋り自由、休憩自由、質問と討論自由、服装自由、水分補給自由の中で活発な意見交換等ができて非常に有意義であったと思います。考え方、理論を整理し理解していただくため、ホワイトボードを準備して頂いたのも良かったです。
当会は、日本人の嗜好と感性を全く考慮しないスタイルでセミナーを開催しています。中国人のそのままの練習体系をそのまま伝え、健康増進とすこし護身術の紹介をしながら中国武術の奥ゆかしさに親しみ、これを純粋に愉しむ、というスタイルを貫いています。
本日も練習お疲れ様でした。次回は7月19日の練習を予定しています。