2020年8月16日、お盆最終日となりました。本日も暑かったですが、午前9時に名鉄神宮前駅で集合し、神宮東公園で八卦掌の練習を行いました。
2020年8月16日の練習内容
本日の練習内容は以下の通りです。
準備運動
本日も練習は準備運動からスタートでした。まずは体の上半身から自分でツボを押していきます。時には腕や背中をパンパンと叩きながら体の力みをほぐしていきます。午前中は午後よりも体が覚醒していませんので時間を多めにストレッチなどを行いました。
「体の奥深くよ、緩みたまえ」と願いながらお尻、骨盤上部の背面部分などをほぐしていきます。身法を霊活にするためには、「腰跨」柔軟度が重要になるため腰回しも多めに行いました。
基礎十二式
本日は8月13日の練習と同じく以下の練習で体を練りました。
- 甩手式
- 柔球式
- 七星起式
- 掩手式
- 穿掌式
- 探掌
- 擺扣歩穿掌
下半身を安定し、ブレのない軸を作るためには、足の指先で地面をしっかり掴むことが重要です。(五指抓地といいます)これがなければ複雑な捻転動作が混ざり合う動作の中で体を支えることが難しくなります。
足の指、足裏の筋肉にも大きな負荷がかかります。本日は足裏のマッサージ方法についても少し紹介しました。イチロー選手も足裏マッサージを重視していると聞いたこともあります。
甩手式
柔球式
七星起式
掩手式
穿掌式
探掌式
擺扣穿掌
このなかで「擺扣歩穿掌」は8月13日に初めて指導したものです。本日も時間をかけて復習しました。擺扣歩穿掌は、擺步と扣步に穿掌の手法を組み合わせワンパッケージにした動作です。転掌で出てくる「外步裡扣」(外側の足を内に入れる)の練習、及び方向転換いわゆる多種の換掌の中の擺步と扣步を中心に練ります。
基礎十二式で意識して頂いた事
本日の基礎十二式は擺扣歩穿掌を中心に練習しました。擺扣歩をうまくやるコツは、やはり鼠蹊部、股関節を柔らかく使うことです。それと重要なのが腰を落として姿勢を低くすること。これで重心が安定し、股関節が柔軟に使えるようになります。足腰に負荷はかかりますがこのようにして下盤を練っていきます。
転掌
愛知県、名古屋市でも新型コロナウイルスが蔓延中。ですので体に極力触れない、ソーシャルディスタンスを保つ、というスタンスで練習を行うため、本日は練習カリキュラムに「転掌」を採用しました。
これまで直線上を歩行する淌泥步を練習してきましたが、本日はそれを円周上で行いました。要訣は以下の通りです。
- 虚霊頂頸(頭のてっぺんを意識して背筋を立てる)
- 舌要捲(舌先を上顎の前歯の付け根に付ける)
- 口要閉(鼻で呼吸する)
- 外掌要蹬(外掌は支える)
- 肘對心而抱(外掌の肘はみぞおちあたりに置く)
- 裏肩要沉(内側の肩を沈める)
- 掌要翻,指要領(掌を張る、指は伸ばす)
- 眼視手背外(目は掌の外側から円心を見る)
- 肘對心,指對肘下(肘は心臓の近く、外掌の指は裡手の肘の下へ)
- 外步裡扣,裡步直邁(外歩は内に扣し、內歩は直進する)
等等、要訣はまだありますが本日は以上を解説しながら練習して頂きました。まずは形を作り、調整しながら8週廻りそこで左右を交代し、更に8週廻りました。これで合計16週です。今後は換掌を増やしていきながら、1セット128週できるように練習していきたいと思います。
本日のまとめ
本日の名古屋市は最高気温が40℃近くなる猛暑日となりました。汗で塩分を失うことが想定できたため、2Lの水と合わせてスポーツドリンクも一緒に購入し練習に臨みました。
本日は練習時間を9:00~11:00と設定したため、時間の経過につ入れて日陰が少なくなっていきましたが、湿度が低く風が通る場所であったため、体に熱がこもる状態を避けながら練習できました。
これまで淌泥步は直線状で練習をしてきましたが、本日から円弧上を歩く、という一段階難しい練習に突入しています。つま先を上げない正確な淌泥步で歩行しながら、上半身の要訣を守る、というのは初めはなかなか難しく、私も台北で呉国正老師から転掌を学んだ時には
- 足がつんのめる
- 上半身の形が崩れる
- 肩と腕が疲労で上がらなくなる
- 大腿部はガクガクになる
- 心拍数が上がって息が切れる
という状況を経験しています。白昼炎天下での練習では、128週は負荷が高いため、まずは16週を行いながら形をゆっくり確かめていく、という練習をしていただきました。16週でも手や胸には相当な負荷がかかっているはずで、八卦掌が全身運動であることを理解いただけたと思います。
今後は、要訣の説明の追加、形の復習、回転数の増加、姿勢を落とす、意念の要求の追加、換掌のレパートリーの追加などを行っていきます。
皆様まだまだ暑い日が続きます。中国武術を練習することは、体の調子を整え、健康で文化的な生活を送ることの助けになります。本来愉しむべき武術の練習ごときで体調を崩してしまうことは悲しいことです。練習をする際には体調管理と安全には最大の配慮をし練習をしていただければと思います。