「筋トレをしている人はプロテインを飲んでるらしいけど、中国武術でも飲んだほうがいいんだろうか」という疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか。
中国武術は気を練り気で攻防を行うので体を鍛える必要がなくプロテインなんて撮らなくても良いという発言をする「エラい先生」もいるかもしれませんが、中国武術も肉体と筋肉を動かすという点においてスポーツと同じであり、プロテインを摂取すればいろいろなメリットがあると考えます。
今回は中国武術家のプロテイン摂取について解説します。
目次
プロテインとは
プロテインとはたんぱく質という意味の英語proteinをカタカナにしたものです。プロテインとはたんぱく質そのものを指します。日本ではたんぱく質を摂取するために作られた粉末やスティック状の食品をプロテインと呼んでいます。
粉末状のプロテインはプロテインパウダーという表現が正しいかと思います。上述のようにそもそもプロテインとはあくまでもたんぱく質の摂取を目的にした栄養補助食品です。
よってこれを摂取しただけでは筋肉が大きくなることはありませんが、プロテインは筋力増強を行ったり筋トレをする場合の強い味方になります。
タンパク質は人間の体の主成分の一つ
たんぱく質は人間の体を構成する主成分の一つです。人間はほとんどたんぱく質と水でできているといっても過言ではないほど筋肉、内臓、皮膚、爪、毛髪、血液等に至るまでたんぱく質で構成されています。
激しい運動を行うと筋肉の筋繊維が傷つき、修復が行われます。スポーツの習慣がある人は、運動をしない人よりも多くのたんぱく質を必要とします。たんぱく質は肉、魚、卵、乳製品に多く含まれており、植物では大豆に特に多く含まれています。
プロテインの種類
プロテインにはいくつかの種類があります。代表的なプロテインはホエイプロテイン、カゼインプロテイン、ソイプロテインです。それぞれ成分や由来が異なります。以下にそれらをもう少し詳しく解説します。
ホエイプロテイン
ホエイプロテインは牛乳から作られた動物性プロテインです。消化吸収に優れており、筋肉量を増やしたい方におすすめです。
ホエイとはヨーグルトの上澄みの透明な液体のことを言います。ホエイプロテインは水に溶けやすい性質を持っているため、体への吸収が素早く行われるため練習後の筋肉の修復に最適です。
カゼインプロテイン
カゼインプロテインもホエイプロテインと同じく牛乳由来のタンパク質です。ホエイプロテインとの違いは、水に溶けにくい性質を持っていることです。吸収がゆっくりなのが特徴です。吸収には8時間程度かかるため間食に最適です。
ソイプロテイン
ソイプロテインは大豆たんぱく質由来の植物質のプロテインです。ソイプロテインはカゼインプロテインと同様に吸収速度が遅意のが特徴です。食物繊維も豊富で、乳製品が体に合わない人におすすめです。体形や筋肉量を維持したままダイエットしたい方にもおすすめです。
プロテインを摂取するメリット
プロテインを取ることは、中国武術を練る方に限らずアスリートの方に多くのメリットがあります。プロテインを摂取するメリットは以下の通りです。
食事では補えない量のタンパク質をとれる
プロテインは食事からも摂取できます。普段私たちも多くのタンパク質を食事から摂取しています。
一般的な日常生活をおくるなら普通の食事で全く問題ありませんが、運動量が多い選手やアスリートは、食事だけで必要なたんぱく質を補いきれないことがあります。そのため食事にプラスしてプロテインを取ることでたんぱく質の不足分を補うことができます。
料理できない場所でも手軽に摂取できる
屋外で練習中や料理が手軽にできない状態でも、手軽にたんぱく質を摂取できるという意味でプロテインは画期的です。水に混ぜて飲んだり、固形のブロック型になっているものもあるため携帯に便利で好きな場所で摂取することができます。
料理ができない状況下、移動中、練習直後にもたんぱく質を手軽に取れることは大きなメリットです。ドリンクタイプなら飲むだけ、スティックタイプもおやつ感覚で手軽に取れます。
筋肉の修復を促す
たんぱく質を摂取することは、運動によって傷ついた筋肉の修復を促します。これにより筋肉の疲労回復と成長への効果が期待できます。パフォーマンスの維持にはトレーニングの内容と同じくらい、栄養補給と休息のマネージメントが欠かせません。
運動終了後にできるだけ早く良質なたんぱく質の十分に摂取することにより、体全体の調子を維持することができます。ただしプロテインを取るだけで必要な栄養素をすべて補うことはできませんのでバランスのとれた良質な食事に加えてプロテインを摂取するという姿勢が重要です。
余分なカロリーを取らなくても済む
プロテインを摂取するメリットは、余計なカロリーの摂取を抑えることができることにあります。
たんぱく質を多めに取ろうと思うと、どうしても脂質の摂取も増えてしまう傾向があります。プロテインは、たんぱく質を効率的に取ることを目指して作られているためカロリー控えめです。ダイエットしながら筋肉を育てたいという方には最適です。
プロテイン摂取のタイミングと正しい飲み方
ここでは最適なプロテインの摂取タイミングと正しいの見方について解説します。
プロテインの飲み方
粉末状のプロテインはコップに入れて水や牛乳と混ぜて飲むが一般的です。専用のシェイカーを買えば、ダマ二ならずにすぐに飲めるようになります。洗うのも楽です。
ゼリー状やドリンクタイプ、スティックタイプのプロテインはそのまま開けて摂取すればOKです。
プロテインを飲むタイミング
プロテインの効果を最大にするには、プロテインを摂取するタイミングは非常に重要です。
運動後1時間以内
プロテインを摂るのに最も適した時間帯は練習後1時間以内といわれています。この時間帯が体がたんぱく質を欲する時間帯であり、もっとも効率よくたんぱく質を吸収できるタイミングといわれています。
食事の時
食事の時にたんぱく質を追加補給するためにプロテインを摂るという方法もあります。そうすれば食事でとった糖質はエネルギー源となり、たんぱく質は筋肉を補修したり作るために使われやすくなります。
間食として
プロテインバーをおやつの代わりに取るのもいいと思います。カロリーや糖分も取れるので空腹感がなくなりますし練習に集中できるようになります。
就寝前
就寝前もプロテインを摂取するのに適した時間帯です。
就寝中は成長ホルモンがたくさん分泌されるとされているため寝る前にプロテインを摂ることでたんぱく質が効果的に活用されます。ただし、寝ている間に胃腸が動くと睡眠の質を下げてしまうため、プロテインは寝る直前ではなく、少し前に取るようにしてください。
たんぱく質が不足すると人間はどうなるか
たんぱく質が不足すると、人間は体の機能が低下します。筋力量の低下、筋肉や腱の柔軟性の低下、肌、髪の毛、爪などへの影響が起こります。
これは選手やアスリートのみならずスポーツ愛好家にとっても死活問題です。ですから運動を楽しむ方はたんぱく質が不足することがないように十分な量を摂取することを推奨します。
アスリートでは男性で1位日当たり60g、女性では50g程度の摂取が推奨されています。一度に大量に摂取するより、食事や間食にわけて摂取するようにしてみてください。
中国武術家とプロテイン
アスリートは体を酷使して多くのエネルギーを消費し、それを最大の効率でリカバリーをするためにプロテインや栄養補助商品を活用しています。中国武術家もアスリートです。
中国武術は一部の大きな筋肉だけではなく、全身の筋肉を大きく使います。よって総消費カロリーが大きく筋肉の消耗も激しいです。特に下半身、大腿部や股関節のような大きな関節や断面積の大きな筋肉に相応の大きな負荷をかけます。
そのため、筋肉は普通に消耗し傷つきます。プロテインの摂取は中国武術をたしなむ方もに有効です。
「中国武術は筋肉を使わない」という方がいます。これは半分正解で半分間違っています。
「筋肉は中国武術でも使われる」が正解です。中国武術でも意という概念で発した指示が気という概念によって体に伝わり、筋肉が使役されています。
筋肉が使われていないかどうかは、筋肉を物理的にカッターやハサミでブチブチ切断して、それでも体が意志通りに動くかどうかを確かめればわかります。
日本武道の伝統的な練習体系の中で食事や栄養についての要訣が語られるのかは私は教養不足でわかりませんが、中国伝統武術は技撃と養身と健身、強身が一体化した体系を保有している由来で、要求は休息と食事にまで及びます。
武術を練るものは、栄養がたくさんあるものを十分に食べること、が推奨されます。中国北方で言えば、「肉」です。小麦やトウモロコシ、粟や高粱、ネギ、野菜を食べながら、鶏、卵、家鴨、牛肉、豚肉、羊肉等をモリモリ食べてモリモリ練習しようというのが上達のコツです。
十分なたんぱく質とカロリーで恰幅と腕っぷしを養い、思いっきり圏捶という名のラリアットをかましたり、靠打という名の体当たりをかましたり、大きく重い武器を振り回すのが中国北方の技撃です。
中国武術とプロテインのまとめ
今回は中国武術とプロテインについて解説しました。
プロテインはたんぱく質を簡単に取れるサプリメントです。現在は様々な商品が店先に並んでおり、トップアスリートからエクササイズが趣味の方まで多くの人がプロテインをとっています。
中国武術の動作は優雅な舞いのような動作にみえても、服の中では水面の鳥の足の様に激しい負荷がかかっています。練習のたびに筋肉も疲労し傷つきます。それの筋肉の疲れの回復を助け、力強い体を作るためにもプロテインは効果的なサプリメントです。
中国武術は、技と養と知がシームレスに結合した体系を持っています。バランスのとれた食事に追加で武術の練習量に合わせてプロテインを摂り、練習の効果を高めていきましょう。
中国武術は、気や内面を練るものだから、プロテインは摂取する必要は全くない、という方にはこのブログはあまり参考にならないかも知れません。このブログを読む代わりに自分の信念に従ってあらゆるたんぱく質を一切摂取せず、功夫が成るかを確かめてみてください。