中国武術

八卦掌の実用性 ~歩行瞑想(マインドフルネス瞑想)~

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何年か前に一世を風靡した歩行瞑想やマインドフルネス瞑想。みなさんも書店で一度は目にしたことがあると思います。なかには雑誌コーナーでパラパラと本をめくってみた方もいるかもしれません。

この生活習慣病予防やストレス軽減に効果があるとされるマインドフルネス瞑想、歩行瞑想は、中国武術、特に八卦掌の転掌という練功法と深い関連性があるという仮説を発見しました。

本日はマインドフルネス瞑想、歩行瞑想について解説します。

歩行瞑想とは

瞑想瞑想

歩行瞑想とは字の如く歩きながら行う瞑想方法のことをいいます。瞑想と言えば座って動かない状態で行なうことをイメージしますが心が瞑想をしていれば本来姿勢の如何は問いません。

座って行う瞑想を禅宗の仏教では座禅、道教では打坐と言ったりしますが、歩行瞑想はそれを歩きながら行うというものです。歩行瞑想は歩きながら行う瞑想です。散歩や通勤を練習にすれば生活の中の少し時間を練習に充てることができます。

Googleでは、従業員の研修に歩行瞑想を取り入れていると聞いたことがあります。歩行瞑想の効能はビジネスにおけるストレスコントロールの手法にまで浸透してきています。

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歩行瞑想のメリット

瞑想瞑想

歩行瞑想を行うメリットは以下の通りです。

気軽にできる

一般的な一種の瞑想である座禅は静かな空間を確保したり、時間をとったりと心構えが必要です、歩行瞑想は普段行なっている「歩く」という日常行為を瞑想にすることができ、気軽に行うことができます。

生活行為で瞑想にできる

歩行するという生活自体が瞑想になり、この瞬間を抜き取ることができ、坐禅より気軽に行えるというメリットがあります。生活行動である移動そのものを瞑想にすることができます。

わざわざ時間を取る必要がない

歩行瞑想は歩く或いは移動するという生活の一部を行いながらできる「ながら瞑想」です。
わざわざ瞑想のために時間を割く必要はありません。通勤、通学、お買い物、電車の乗り換えを瞑想にできるんです。

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歩行瞑想の効能

瞑想瞑想

ここでは歩行瞑想の効能について解説します。

歩行によるリラックス効果がある

歩行瞑想は座って行う瞑想に追加する形で歩行という運動を組み込みます。これにより体の各部が振動や刺激を受けます。これが体にリラックス効果を与え、体を緩める効果を発揮します。体が緩めば心も緩み、緊張した心にリラックス効果をもたらします。

運動不足の解消になる

歩行瞑想は瞑想をすると同時に歩行という運動を行いますので体を動かしカロリーを消費しますので運動不足の解消になります。瞑想を行いながら肥満解消、骨粗鬆症の予防に多少の効果があります。

不安やストレスが軽減され精神的に安定する

歩行瞑想は瞑想と言っても宗教的な要素ではなく、呼吸や姿勢に注意しながら歩くという行為です。これを行うと雑念が取り払われ、不安やストレスが軽減されます。歩行という運動により筋肉が温まることにより心地よい気分が発生し精神的に安定します。

うつ病や精神疾患の特効薬として散歩が推奨されていますが、歩行瞑想の方法論を実践することでただの散歩にもう一歩付加価値をつけることができます。これは心地よいとおもう運動強度で有酸素運動をすると、セロトニンという物質が分泌されることによります。

セロトニンは別名幸せホルモンと言われており、それが分泌されると精神的にポジティブな思考がでてくると考えられています。

集中力が高まる

Googleが歩行瞑想を取り入れているのは、歩行瞑想が集中力を高めてパフォーマンスを高めることにつながると考えているからです。情報過多の状態でマルチタスクを行うと頭が過熱し、情報を上手く処理する能力が格段に落ちます。ちょうどパソコンでいうとメモリ不足の状態でたくさんのソフトを動かしている状態です。

歩行瞑想は歩くこと、呼吸することだけに意識を集中することで頭の中を真っ白にできます。この訓練を積むと雑念を取り払い目の前の物事に集中する能力が高まります。

眠くなりにくい

座って行う座禅は眠くなることがあります。ですが歩行瞑想は動く瞑想ですので眠くならずに瞑想を行えます。

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八卦掌の転掌と歩行瞑想

瞑想瞑想

八卦掌の転掌は、長い直線を経ずに狭い場所でも歩法を練習するために作られた、角度のついた歩法を練り、相手と対峙するときに一定の角度をつくることにより戦況を有利にするために練る、など外面から動きの意味を考える上での解説は見たことがあります。

そういう意味合いもないことはないですが、転掌を練る目的は「樁」です。静止して立って行うことを「站樁」といいますが八卦掌の転掌は動気ながら活歩で行う「樁」ですので「活歩樁」というものです。站樁には内功を練り、技撃性を高める意味があります。八卦掌の転掌にも技撃性を高める大きな効能が秘められています。

転掌はそれと同時に歩行に瞑想という効能があります。歩きながら行う「禅」です。これは八卦掌だけにあるものではなく、道士が打坐や呼吸法、導引術のような修行法として普通に行うものの中の一つです。

歩行瞑想やマインドフルネス瞑想が巷で話題になる150年くらい前に、中国人はこの歩行瞑想というものが精神面、メンタルに作用する効能を認識しており、これを実践していました。

八卦掌ではこの転掌(尹派や馬貴派では走圏と言います)を中心に練拳と練功のカリキュラムとします。転掌を行うことにより全身の気血の繫がりをより綿密なものにし、呼吸と動作の配合、意念と動作の結合、気と体の融合など具体的なレベルの向上を行います。

程派高式八卦掌では地支八卦という六十四種の招式で用法と過敵応用を学び、転掌で功を練ります。功とは勁力や反応力、即応力、コシの強さ、いわゆる「功夫底子」というものです。

さらに転掌は歩行瞑想という概念も包括していますので、功を練りながら望ましくないストレスやプレッシャーを打ち消す作用も強く持ちます。

八卦掌の解説では「八卦掌は健康維持に大きな効果があるとされています」という曖昧で抽象的な表現がよく見られますが中国人はそのような抽象的な概念だけで転掌を練っているわけではなく、方法論とその効能と実感を具体的に認識して八卦掌を練っています。

これは説明を受けて、八卦掌の理を正しく認識しその通りやるだけで効果がでるものですから誰でも実践できます。詳細は皆さんの八卦掌の老師が詳しく理解されていると思いますので直接問い合わせて指導を受けてください。

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歩行瞑想の注意点

中国の寺院中国の寺院

歩行瞑想をする際には注意してほしい点もいくつかあります。歩行瞑想をより深く理解するためには以下のことを認識する必要があります。

瞑想自体の効果は座禅よりも低い

歩行瞑想は歩行を伴う瞑想です。体を動かさず瞑想のみを行う座禅のほうが瞑想自体への効果は高い思われます。

有酸素運動としての効果も低い

歩行瞑想は有酸素運動にはなりますが、運動によるカロリー消費は歩行と同程度となります。一般的な有酸素運動、例えばジョギングやエアロビクスなどと比べると心拍数が上がりにくく、運動強度が低いため有酸素運動やダイエットのための運動の効果としては劣ると言わざるを得ません。

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八卦掌と歩行瞑想のまとめ

中国の風景中国の風景

今回は歩行瞑想について解説しました。歩行瞑想は八卦掌と関連性も強く、すぐに実践できる瞑想法です。隙間時間に瞑想でき、生活に取り入れることもできます。

日ごろからオフィスワークでマルチタスクをしている人は脳に疲労が溜まりやすく、その疲労を解消するためにも歩法瞑想はおすすめです。

歩行瞑想の具体的やり方については今回のブログでは割愛しました。なぜなら文章だけではうまく説明できないですし、私が練っている転掌についても要訣をすべて盛り込んだ形でお伝えするのが難しいと思ったからです。

私が八卦掌を習い始めたころには、まだ書店には「マインドフルネス」や「歩行瞑想」というカテゴリーの書籍は並んでいませんでした。2016年ごろから書店やメディアでもてはやされるようになったのが歩行瞑想です。

歩行瞑想を考えると、八卦掌はまさにこれを行っていることがすぐにわかりましたし、中国武術の站樁さらには套路の練習さえも瞑想と言えるものであることがわかりました。

中国武術を練る時には、打ったり叩いたり、飛んだり跳ねたりも大変結構ですが、一度別の角度から武術の練功の意味を考えてみてはいかがでしょうか。

本日のブログが皆様の中国武術の練功の参考になれば幸いです。

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