中国武術

中国武術上達のコツ 私が早朝練習をおすすめしない理由

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早朝の上海で手袋をはめて太極拳を行う中国人の写真を見たことはある方もいらっしゃると思います。また、中学高校の部活動で、授業前に早朝練習を行っていたと言う方もいるでしょう。

私は、早朝練習をお勧めしていません。早朝練習は、良い面もありますが相当のデメリットがあることも注意が必要です。今日はこれについてお話しします。

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早朝練習のメリット

ストレッチをする女性ストレッチをする女性

まずは早朝練習のメリットについて以下に説明します。

静かな時間帯

早朝は活動している人が少ないため喧騒から離れて静かな雰囲気で練習できます。鳥や自然の生き物のさえずりは聞こえますが、人間の活動から来る人工的な物音はあまり聞こえないため集中して練習に取り組むことができます。

空気が澄んでいる

都市部では早朝の時間帯は空気が比較的澄んでいます。夜間、人間が活動しておらず空気に大量の湿度を含んだ時間帯に、空気中の塵は地面に落ちていきます。よって早朝の空気は一日のなかで微細な汚れや塵が最も少ないです。

中国武術の動きは一種の有酸素運動です。よって肺による空気の入れ替えを伴いますので空気が清浄な状態で練習する事には意味があります。

良い一日のスタートを切れる

早朝に練習すれば、体と心のスタートを早めることができます。早起きをして一日の区切りをきっちりつけたいという方は試してみるのもいいかもしれません。

夏場は温度が低い

早朝は最も気温が低い時間帯ですので、夏場の練習には早朝を利用するのも一つの手です。夏場は日が長く、明るくなるもの早いです。本格的な日中の日差しが出てくる前に練習するというのも一つの手です。

早朝練習のデメリット

ジョギングする女性ジョギングする女性

では逆に早朝練習のデメリットについてみていきましょう。

眠さに逆らって起きることは大きなストレスとなる。

深い睡眠から強引に起床することは、身体にとって大きな負荷となります。心臓がバクバクしたり、不整脈が悪化することもあり得ます。

また、体が眠りを欲している状態で無理に起床することは、心理的に大きなストレスとなります。ストレスは万病のもとです。早朝自然に目が覚める方に生活習慣がある方には問題ありませんが、その日の体調、前日の就寝時間を考慮せず、早朝練習を画一的に行うことは問題です。

一日中眠気が残る

無理に起床したがゆえに一日中眠気があると、仕事、学業に支障をきたします。これは個人が生まれ持った生活リズムに逆らった行動をしていることが原因です。一日中だるさ、眠気が襲う様でしたら早朝の練習は向いてないかもしれません。

運動障害誘発のリスクが高まる

起きた直後は、体が硬直しており、調子が出てきていません。そこに負荷の高い運動を加えたり、強引な柔軟体操を行うことは、「障害を防止しながら楽しくスポーツを楽しもう」という生涯スポーツの考え方に対する大胆な挑戦行為です。

活動的でない体に対して無理にフルスロットルを吹かせることは、筋肉、腱、関節にも負担が大きく、心臓にも大きな負荷をかけます。早朝は、人間の体と精神が不活発な時間帯です。

人間本来の生理的活動性

人間は、起床後午前中を経て徐々に体温が上昇し、午後に体温がピークを迎えます。その後、体温は徐々に低下し、就寝前に体温が最低になるという本来の生理的リズムがあります。体温は、人間の活動性を表しており、つまり体温が高い午後が、人間が最も活動的に動ける時間帯になります。

早朝練習はこれに逆らう形で行われるので、はっきり言えば、効率が低い運動形態です。

最も効率性の高い運動時間とは

エクササイズをする女性エクササイズをする女性

運動の効用が最も高くなる運動時間は、夕刻です。中学生がクラブ活動をしている時間が
人間の行動の活発性が高くなる時間ですので、集中力が高まり、体も動きやすく、技術的向上を図るのに最適です。

サラリーマンは、その時間はまだ就業中ですので対応は難しいと思います。その場合は、夕食前の1時間を練習に充ててみてください。「ゲームは一日1時間、武術は1日1時間」。

残業があり、忙しい方の場合は夕食を取りすこし休憩し、満腹感が少し収まったころも練習に適した時間です。ただし練習時間は遅くなりすぎないでください。練習の終了時間が遅くなりすぎると、練習で活性化した体と精神が、就寝時間になってもクールダウンせず、寝つきが悪くなり、睡眠の質が低下する恐れがあります。

まとめ 朝練は体に悪い

気功をする男性気功をする男性

中国人は、無理せず、怠けすぎない適度な状態「中庸之道」を最高の境地とします。無理せず、無駄なことをせず、ムラをなくせば功は自ずとついてきます。体が動きやすくなっている時間帯に、自分に適した運動強度で疲労を残さない程度に運動を愉しむ、この姿勢が中国武術を長く続ける秘訣です。

本日は早朝の練習について解説しました。活動のリズムが整う前からいきなり運動を始めることはよろしくありません。じっくり体が起きるのを待ち、最も調子のいい時間に練習をしてみてください。

日ごろの武術の練習の参考にしていただければ嬉しいです。

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